08年の転職日記まとめ。その1

2008年に書いた転職日記の転載です。
当時はリーマンショック前でしたし、時代が違うのでこういう経験談がどの程度有意義かとは思うのですが。

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前の会社を2年半程度働いて転職してしまった私。
今でもなんだか転職したって実感がないのですが、
毎日、たくさん覚えることがあって、 少しずつでも覚えていればいいんですけど。


そんな私ですが、最近何人かの人から転職について メールで聞かれました。
やっぱり同じことを 考えている人は結構いて、 私も高校の同級生や大学の同期に電話しては、
どういう選択をすればいいか、話をたくさん聴いてもらいました。
皆さんのおかげでどうにかこうにか、自分で決断をして、なんとか前へ進めることができました。
友達や先輩がいてくれたおかげでどうにか道を決められました。

 転職って何なんでしょう。
仕事を変える、職場を変える、環境を変える、キャリアアップする、 実家に帰る、夢をかなえる、色んな目的や結果のためにみんな、 仕事を探します。

最初の就職活動のときに、 「もう精一杯考えた、今のベストはこの会社だ」と 自分で結論を出したつもりでも、人生って皮肉なもので状況なんて、 天気くらいころころ変わります。

親が死んだり、恋人に裏切られたり、リストラにあったり、交通事故にあったり、病気にかかったり。
そんな人生だからこそ、ひとつの職場で自分の人生をまっとうできる人ってすごいな、と心から思えるし、 自分の親のことは尊敬しています。

ただ、時代は大きく変わって、昔のように「ひとつの会社で勤め上げて定年を迎える」ということが出来なくなってきました。
これまでは、どんどん伸びる日本経済を背景に大きな船みたいな会社に乗っていれば、定年という港まではなんとか たどり着くことができました。
ただ、今では「40年間という長い時間を 港までたどり着ける船」、という存在はフィクションに近い存在になってしまいました。
たまたま、天候がずっと晴れだったから船が沈まなかっただけで、実はその船は嵐がきたらすぐに沈みかねない船だったのです。

いや、何も私が勤めていた会社が沈みそうな船、だと言っている訳ではなくて、日本全体がそういう状況のようです。

天下の大企業だと言っても、驕っていてはすぐに沈んでしまう世界です。
たとえば、トヨタ自動車は日本はもとより、世界で通用する大企業ですが、自動車という何万点もの部品を 使う製品を世界中で製造・販売する、ということは トヨタ自動車1社だけでは不可能です。
数多くの部品メーカーがトヨタ自動車に対して部品を販売することで、トヨタ自動車も初めて自動車を製造することができるのです。
そして、何万点もの部品を組み立てて販売するにあたって、部品メーカーから部品を購入するときに、購入する金額を「原価低減活動」と銘打って買い叩くのです。

原価低減活動に特に理由がなくても、10%、30%、と部品の購入価格を買い叩くことで、利益1兆円を稼ぎ出しているのです。
1点1点の部品の価格にこだわらなければ、何万点もの部品を組み立てるメーカーに利益など発生しないのです。
部品メーカーも「世界のトヨタが相手だけに、「そんなに安くするなら買っていただかなくても結構です」とは なかなか言えません。
だから、一緒に知恵を絞って、部品を安くする方法を考えます。
それでもトヨタ系の企業は、「どうやったら安くなるか、一緒に考えましょう」というスタンスで臨んでくれるので取り組む気にもなります。
とはいえ、これはあくまで例えであって、トヨタ自動車ですらそうなのですから、他の企業が毎日どれくらい血の滲む活動を行っているかは 想像に難くないでしょう。少しでも気を緩めれば明日に待ち受けるのは「倒産」の二文字です。

父さんの会社、倒産しちゃったよ、だなんて冗談みたいな本当の話がいくらでも今の日本には溢れているのです。

事業縮小、倒産、会社更生法適用、合併、合弁解消、いくらでも溢れています。
帝国データバンク」のHPに行けば毎日負債を数億円も抱えて会社がいくつも倒産しているのが、分かります。
(それでも数億円も負債を抱えれば立派な「大規模倒産」としてカウントされますが、小規模の倒産は日本中、世界中どこでも起こっていることではあります)

 そんな日本で、のんびりと「自分のキャリアはきっと会社にいれば会社が考えてくれてどうにかなるわ」だなんて構えていたらあっという間に「何にもできないおじさん」になってしまって、 リストラされてしまうのが想像できてしまったのです。

自分が置かれている状況を冷静に客観視して、果たして、自分が求めていた仕事って、いや、正確に言うと自分が仕事に求めていたものって、こういうものだったんだろうか、と考えたときに、「ちょっと、違うなあ」と思ってしまったのです。

このちょっとした違和感というのが曲者で、この違和感をうまく人に伝えるのは相当難しいと思います。

 そのちょっとした違和感を感じたのが 07年の12月頃のことでした。
私は大学時代の同期のあるお方と電話していて、そういった言葉にはできないもやもやとした感情を吐露していました。
あんまり愚痴っぽくなるのは好きではないのですが、今思えばあれは愚痴だったんだと思います。

「そんな風に考えているのなら、 転職活動だけでもしてみたらいいじゃん」  という一言をもらって、それでもまだ、くよくよと考えていました。

その晩、そういう気持ちを電話で話したところ、一蹴されました。
「ええい、くよくよしていて、うっとうしい。転職活動、やってみたらええやんか」 と言われて、半ばヤケになって転職サイトに登録してみました。

この日記は前の会社の方々も読んでいるし、そういった意味ではあまり気分のよいものにはならないかもしれません。

でも 「職を変える、ということがどれだけ普通になっても、 自分にとっては特別だ。」というマイナビの広告を見ていて 「ごもっともだなあ」と思ったので、筆を取ることにしました。

始動
1月27日の夜中に某転職エージェント会社に インターネットで登録しました。
登録自体は15分くらいでできてしまうわけですが、登録して、「まあ、1週間くらいは反応ないやろうな」だなんて 悠長なことを考えてたら翌日の終業後、喫茶店で、電話が鳴りました。

エージェントKさん「どうしたんですかー。転職、したいんですか?」
kiki「ええ、そうなんですよ」
エージェント「そうですか、では一度お会いしましょう。今週はどうですか?」

そういうやりとりから始まった電話では特に細かいリスニングはなく、後日、一度会いましょう、という連絡でした。

エージェントの重要性
この時点で感じたのはやはり面と向かって一度相談する作業が 必要で大事なものだということです。エージェントは親身になって相談に乗ってくれます。
どれくらいエージェントをうまく活用するかによって、仕事をしながらの転職活動の成否も 変わってくるように思います。多少の無理を通せるようにするためにも エージェントの人柄を把握しておくためにも一度は会っておくべきだと思います。

エージェントの当たり外れ
あと、エージェントも何人もいるのでいったい誰が自分を担当してくれ るかは運次第になってしまいます。中には仕事が速い人もいれば遅い人 もいます。出来るだけ初動からクイックレスポンスな人があたると転職 活動のスピードも上がってきます。

2月1日までに職務経歴書を作成して、2月2日の土曜日、 エージェントと会うことになりました。
エージェントのHPで職務経歴書などは作成できるフォームがあるので便利でした。
代表的な転職の方法はいくつかあると思います。

転職方法の類型
1. 転職サイト(リクナビネクスト、マイナビ転職とか)に登録
送られてくるメールの中から、自分が受けたい会社を選んで直接メールを送る。
その後のやりとりは担当者がいる場合と自分で企業とやりとりする場合がある。
求人はかなり公開されている。

メリット:情報をたくさん集めるのが楽。
デメリット:送られてくる情報が多すぎて目を通すのが大変。
      自分に関係ない求人案件も送られてくる。

2. エージェントを活用
転職サイトでも「エージェント」がいて、相談に乗ってくれたり、予定の調整や面倒な年収交渉をしてくれる。
リクルートエージェントとかインテリジェンスとか)
こちらに費用の負担はないが、企業はエージェントに対して年収の数%〜30%、場合によっては50%程度を支払う。
求人は登録しないと見られない情報が8割程度。
エージェントが、自分でも気付いていないような可能性を考えて色んな視点で企業を紹介してくれる。

メリット:交渉などを代わりにやってくれる。
     相談に乗ってくれる。
     転職市場についても詳しく説明してくれる。
     交渉途中でも旗色や進捗を報告してくれる。
     急かせばそれにも応えようと努力はしてくれる。

デメリット:エージェントが自分のことを理解してくれていないと
      的外れな求人案件ばかり紹介されてしまう。
      エージェントも商売なので、いらん先をプッシュしてきたり
      妥協させようとしてくることも、あるかもしれない。

3. 直接応募
転職サイトに登録せずに、直接行きたい企業のサイトで求人案件が出るのを待って、応募する。
自分が行きたい会社は求人を自社サイトでしか募集していない場合、直接やりとりすることになる。

メリット:転職者が企業と直接交渉できる。
     雰囲気も伝わりやすい?
     第3者の意見が介在しないで仕事を探せる。
     中小企業の場合はこちらが有利かもしれない。
     イメージだけど。

デメリット:企業に言いにくい要望があると困る。
      時間がかかる。
      下手するとメールの返事が1ヶ月以上かかる。
      途中経過もわからない。

他にも
ハローワークに行く、や
求人情報誌を買ってきて案件を探す、
・引き抜かれる、などなど

色々と転職の方法はあると思いますが、 時間のロスなども考えるとネットを使って情報収集して、 メールでやりとりした方が仕事をしながら転職活動しやすいでしょう。

引き抜きなどは特殊なケースだと思います。
朝から晩まで定職に就きながら現職にも内緒にしながら、 就職活動をするのは本当に大変なことです。
ただ、メリットは確実にあります。
何より、社会的立場が失業者と、職業に就いている人では違います。社会的信用も得られます。

■転職は辞めてから?仕事を続けながら?
よく、「転職先を探すのは今の仕事を辞めてから、のんびり探せばいいや」って人もいらっしゃいますが、それで焦って探すよりはじっくりと自分に合った企業を地に足をつけて探した方がよいはずです。
生活も安定していますし。
ま、親元に帰ってのんびり転職先を探せばいい人にはあんまり関係のない話なんですけど。。。
企業からのイメージは当然、間隔がない人のほうがいいのです。
これは複数の意見を聴いているので間違いないでしょう。
間隔が空いている場合、「職に就かないで何をしていのか」を明確に説明できない場合に非常に不利です。
英語の勉強のために留学していた、とか公務員試験を受けていた、とか、何かしらポジティブな理由でやむなく就職していなかった、ということが説明できないと厳しいでしょう。

また、転職先の企業としてもあんまり職と職の間隔が開きすぎていると心配になる、というのも事実なようです。
辞めグセがついていたり、社会復帰(苦笑)できるのか??という疑いもあるのでしょう。

さて、職務経歴書を作成したときは、HPに用意されてあったフォーマットを参考にしながら自分がどういうことができるのか、どういうことを会社でしたいのか、どういうことを会社でしてきたのか、そういったことを書きました。
大事なのはいつもどういうことを「考えて」仕事をしてきたのか、
自分がどういう結果を生み出せるのか、を明確にすることだと思います。
書類の書き方は基本的には自由だそうです。
こういった書式のサンプルやどういうことを書けばいいのか、といったことは転職サイトでも教えてもらえると思います。
ただ、当然、書類として読む人が読みやすいフォーマットで作らないとダメだと思います。

エージェントとの面談
2月2日、職務経歴書を片手にエージェントに会いに行きました。
エージェントのKさんはとても、気さくな方で話しやすかったです。
その昔はドバイで別の仕事をされていた方らしく、紆余曲折があって転職して今の仕事をしています、とのことでした。

エージェントを使った転職の場合、まずは職務経歴書をエージェントに提出した後、求人票をエージェントからもらいます。
気になる会社、受けたい会社をリストアップした上で、受けたい会社をエージェントに連絡すると、職務経歴書を企業に提出してくれます。
その第一段階での選考をクリアすると、面接やテストに進める。
数度の面接の後、たいていは内定が出る。
とりあえず聴いてきたことを列挙。

■年収
・若手新入社員の平均年収は「自分の年齢の13倍〜15倍」程度が相場。

■転職活動のイメージ
・転職活動をするからといって、それが転職することにはならない。
・動くことで、モヤモヤがすっきりするならば転職活動をしてみては。

■転職相場について
・2月〜3月は企業も求人に動いている。4月になると新入社員の受け入れがあるから、動きが鈍くなる。5月以降は再び動き始める。
・2008年2月時点では転職市場は活況だった。
・求人は自分にだけに向けて作られたものではなく、何千人という人がネット上で見ている。

■転職活動にかかる期間
・ひとつの企業の選考が始まれば通常40日くらいで転職が決まる。

職務経歴書について
職務経歴書はよほど出来がよくても、なかなか企業の目には留まらない。
合格率は通常3割程度。
最高で6割の人間がいたが、その人は自分のことを「ブルドッグタイプの営業で食らいついたら離れない」という突飛な形容で人事の目を引いた。そういう人は稀。

職務経歴書では、プロセスをどれだけ書くか、が大事。通過率は下がってしまうが、転職後のマッチング率は上がる。自分の企画書だと思って真剣に作成してほしい。
職務経歴書には成功体験だけではなく、失敗したときに、どういう風に対応したかも書いておくと吉。
・当然だけど、職務経歴書に書いていないことは評価されない。
職務経歴書は面接時に面接官が見ながら質問してくるので、面接時に触れてほしい話題を書いておく。

■内定
・内定が出たとしても断ることは出来る。

■エージェント
・1次面接にはしっかり行ってね。エージェントと企業の関係があるから。

■転職の類型
・同業他社への転職=キャリアアップ、この場合、職歴7割、人物3割程度みる。
・異業種への転職=キャリアチェンジ、この場合、職歴4割、人物3割、意欲3割程度みている。

■企業側
・企業は定着性も気にしている。転職を経験している人間は職を再び変えやすいので、定着してほしい企業としては、そこが一番心配。
・嫌な話だし、大声では言われないけど、学歴偏重主義はいまだに健在で、出身校での足切りは、今でも行われている。早慶上智関関同立産近甲龍、などの線での足切りはよくなされている。

こういう細かい話がありつつ、 エージェントは私になんと50社も求人案件を紹介してきた。
大体2時間くらい話していました。
ノートに忘れないように書き留めておきました。
大事な話は何でもノートに書いていかないと人間は完全ではないので、覚えられません。

渡された求人票を見ていくだけでもしんどい作業でした・・・。