富士フイルムの古森社長が出ていました。
なかなか興味深い回だったので、自分のつぶやきから概要を抜粋。
■化粧品事業の話。
・アスタリフト、40gで9,450円。たっかー!化粧品の世界って凄いな。
特殊な用途の接着剤とたいして値段変わらない!
・医療、ライフサイエンス事業で2900億円を超えたって、すごいトランスフォーメーション。
富士ゼロックスも含めて一気に写真フィルム依存を無くしたのか。
コダックを追い越せと取り組んだ結果、と富士フイルム社長。
・古森社長が就任した2000年に写真フィルムの需要はピーク。
年に20%もそこから減っていった、と。
デジタル化の波はそれだけ激しかった、と。
・富士フイルムは勝負できる分野は何かと徹底的に洗い出したら化粧品が引っかかった。
微粒子とゼラチン、コラーゲンの技術蓄積はかなりあった、とのこと。
社内の反対は押し切った、と。当時の富士フイルムは大企業病ではなかった、と古森社長。
・富士フイルムが強かったのは写真フィルムでBtoCの蓄積はあった、というところだろうなあ。
化学メーカーや材料メーカーはBtoBの経験はあっても
BtoC経験は無くて小売に進出することには躊躇するメーカーが多いはず。
■TACフィルム事業の話
・富士フイルムFPD台湾、売上2000億円事業。
偏光板を挟むのに使われるTACフィルムを取り上げてる。
世界シェア7割。
写真フィルムのベースフィルムに使われてた、と。
全て日本製。
93年から売上100倍になったと。
お客さんとして、CMI材料の人が出てきた。
・富士フイルムのTACフィルム。
ドープという材料をフィルムにする、とのこと。
2m幅化できるフィルム化するノウハウの部分は当然撮影NG。
ま、当然やわなあ。
バンド方式ではなくて、巨大なドラムで作るドラム方式が
独創的な製造方式で強みと。生産速度を倍加するのが、目標だったと。
・利益を出すためには圧倒的な生産技術が必要、とは
富士フイルムFPD生産技術本部長川本氏。
TACフィルムは平滑で透明度が要求される。
偏光板にはTACフィルムが最低二枚使われてる、と。
熊本工場への投資段階ではPDPかLCDかどちらが
ブレークするかわからなかったが、投資決断した、と。
・TACフィルムは特に広幅品では
韓国や台湾が追い付くのは難しいのではないか、と古森社長。
・TACフィルムの市場概観。
富士フイルムとコニカミノルタで市場を8割以上確保。
コスト競争は一段落とのこと。http://t.co/cWLgajkQ
■研究開発についての話
・富士フイルム、研究所には有機合成や応用化学、画像診断、
医療分野の研究者を1000人抱えてると。
太陽熱カットするフィルムや導電フィルムも開発してると。
・ケミストリーでは解決出来なくてもエレクトロニクスを
組み合わせると解決できるんじゃないのか、と考えてる、と。
これからの時代は小手先の改革ではなく、ダイナミックに変革できるか、と。
ダイナミズムを支えるのは技術力だ、と。
先進独自の技術が変革を支える、と富士フイルム古森社長。
■総評
・富士フイルムの話は元気づけられるなあ。
TACフィルムの事業規模でかすぎ。
自動車が売れなくなったトヨタを想像してみてほしい、とは村上龍の言葉。
それまで培った技術、知識、人材の再編が必要、と。
・自社の持つリソースのどこに価値を見出すか、っとこと。
言いたくはないけどアセットライト!とか言いながらエンジニアの首を切り、
工場を売り、モノを作らなくなったメーカーは復活の原資がないよね。
富士フイルムの古森さんはそんなことを気付かせてくれた。