デスバレー/ラスベガス二泊三日の旅

■Thanksgiving Holidaysの過ごし方

thanksgiving holidaysは毎年、アメリカでは1番長い連休でして、どこに行くか頭を悩ませます。今回は直前まで展示会やらアメリ東海岸出張だったりで、ドタバタしていましたが、なんとか数週間前に行く先を決めてホテルを押さえることが出来ました。毎年このシーズンになると、シアトルに行きたくなるのですが、飛行機料金が高すぎて中々行けていません…。このまま行けないままなのだろうか。シアトルに行くのは初夏が良いというのはわかってはいるのですが…

さて、今回はタイトルの通り、デスバレー に行くことになりました。本当であれば、今年の頭に行く予定でしたが、娘が熱を出してしまったために急遽、妻と娘の旅程はキャンセルし、私はラスベガスからの帰りの飛行機が変えられなくて私単身で、急遽、ザイオンに行ってきたのでした…

なので、今回のデスバレー旅行はある意味では私たち家族にとっての雪辱戦だったわけですが、無事にデスバレー に向けて出発することが出来ました。

 

■Death Valleyとは

デスバレーはサンノゼから車で南に数百マイル、フリーウェイを走ること約6時間ほど離れており、ネバダ州にあります。デスバレー自体は非常に広く、アメリカの国立公園の中では最も広くなんと面積だけなら長野県に匹敵する広さであり、デラウェア州とも同じくらいの面積だそうです。さまざまな映画やプロモーションビデオのロケ地にもなっているそうでして、代表的なところでは猿の惑星スターウォーズなどが挙げられるそうです。また、プロモーションビデオではL'Arc~en~Cielのwinter fallがまさにデスバレーでのロケだったそうです。(調べてから行けばよかったのですが、帰宅してから知りました…)

デスバレーは世界でも1番暑い土地としても有名でして西側から普通は流れ込んでくる雨雲が手前の山脈で全て雨になって振り尽くしてしまうため、年間でも殆ど雨が降らないそうです。そのため、よく聞くのは自動車メーカーなどが耐久試験にデスバレーで走るという話を聞きます。夏にはあまりに暑すぎて40度を超えるのはザラであり、旅行がおススメされていないほどです。

大昔には湖があったこともあるそうですが…。過去にゴールドラッシュがあった際に迷い込んだ人々があまりの不毛の大地で死んでしまったこともあり、Death Valleyと言われるようになったそうです。デスバレー に限らず、なかなかに縁起の悪い名前が付いた地名が多い国立公園です。

 

■1日目。

行きの旅程は非常に長いので今回も早朝3時半に家を出まして、一路、101-southへ。そこから152号線を東に向かい、I-5に乗り換え、南に向かい、途中で更に58号線に乗り換えどんどん東に向かいました。ギルロイを越すあたりが渋滞しやすいので、さっさと早朝に抜けてしまいたいわけです。

 

天気が悪かったのですが、I-5から58号線あたりでは非常に深い霧が出てなかなかに恐ろしかったですが、今回もそのエリアは妻が運転を担当してくれました。申し訳無かったです…早朝、どうにも眠気に耐えられない区間があるんですよねえ…。

 

デスバレー 自体は笑ってしまうほどに遠かったです。途中ガソリンを入れたり、スタバでコーヒーを飲んだり妻が前日に焼いてくれたニンジンパンを食べたり…。スタバはあまり多くないのですが、ガソリンスタンドや他のファストフードと比べてトイレが綺麗なのでどうしても寄りたくなります。

 

58号線のスタバでは見知らぬ老人が話しかけて来て「これからどこへ行くの?」などなど話しかけてきたので、「デスバレー に行く」と話すと「Trona というところの手前にPinnaclesという場所があるので是非寄って行くといい」と教えてくれました。いつも頼りにしてる地球の歩き方はデスバレー に関してはなぜか情報があまり乏しく、Pinnaclesは掲載されていませんでした。今回はあんまり、デスバレー に関する情報収集をする時間がなくて日本語の記事もあまり読んでいませんでしたから、言われるがままにPinnaclesに寄ってみました。

 

■Pinnacles

Pinnaclesは遠くから見てもわかるなかなかすごい自然のモニュメントなのですが、舗装された道から数マイルほど未舗装の道を走らなくては目の前まで行けない場所にあります。近くまで寄って見てみたかったものの、あまりのゴツゴツした岩地に日和ってしまい、途中で止めて遠くから写真を撮るに留めました。いや、恐らくは止まって正解だったとは思います。SUVピックアップトラックでなければ、車の下部を擦るところでした。はっきり言えば、セダンでは行けないですね…デスバレー にもそんな未舗装路が何箇所かありました。

 

■いざ、デスバレー国立公園敷地内へ

そこから再び北東に車を走らせてデスバレー に到着したのは昼の3時くらいでしたでしょうか。まずは、入り口近くにあるオフィスで国立公園に車で乗り入れるためのチケットを$30で買いました。ほかの国立公園と違って、なぜかゲート形式ではなくて、ふつうに通り過ぎてしまうところでした…。チケットを買った後にレジにいるレンジャーのおばさんから地図を受け取るシステムでした。子どもがいることを伝えたら子ども向けのジュニアレンジャーブックと鉛筆も渡されました。子どもがそのまま、自由研究にも使えそうなくらい充実した内容でしたが、2歳半の娘には少し早かったです。

 

砂丘

その後、まずは車を走らせていると目前に見えてくる砂丘に立ち寄りました。これまでに静岡と鳥取砂丘には行ったことがあったのですが、(日本には三大砂丘というのがあるんですね)アメリカでは砂丘は初めてでした。この砂丘スターウォーズのロケ地だったそうで…なんならこないだのハロウィンで使ったC-3POの衣装を持ってきて着れば良かったですね。

 

以前にグランドキャニオンに行った時も思いましたし、デスバレー国立公園でも感じたことですが…thanksgivingは感謝祭とも言われてるわけですが、家族で家で集まって過ごすことが多いのですね。七面鳥やらアメリカの建国の頃の歴史に所縁のある食べ物を食べ先人たちの苦労に想いを馳せるわけですね。ただ、アメリカのそうした文化に馴染んでいない人達にとってはただの四連休でして、旅行に出るのはインド人、中国人、アジア人、日本人。白人を見かけてもそれは殆どが欧州からの移民や旅行者だったりします。これは結構顕著な傾向でして、ちょっと驚くほどにインド人が多かったです。これはカリフォルニアに住むインド人が多いからというのもあるんでしょうけども。

 

そんなことを思いながら妻と娘と3人で楽しく砂丘の粒度の細かい砂を楽しみました。娘が頭から砂かぶってるのを見て子どもはなんでも楽しんでしまうのだなあ、と目を細めておりました…子どもみたいにはしゃげない自分は随分と大人になったのか、それとも単につまらない大人になってしまったのか。昔、鳥取砂丘に何度も行ったことも思い出しました。砂丘の砂って靴に入っても中々出ていかないんですよねえ。鳥取砂丘にはゴンドラもあり砂丘センター的なお土産物屋もありましたが、国立公園の砂丘にはそうした景観を損ねるものは何もありませんでした。アメリカの国立公園のこういう妙にストイックで商業主義に走らないところは私は好きですね。アメリカ自体は超大国で資本主義の権化みたいな国なのに、自国ではこうしたところはかなりストイックです。無用な柵や塀やフェンスも作らないんですよねえ。それがまた多くの観光客を魅了する理由でもあるのでしょう。

 

■Zabriskie Point

砂丘を離れると車を走らせていきましたが、既に日没が始まっていました。ホテルに寄らずに一路、Zabriskie Pointというところまで向かいました。既に残念ながら殆ど沈む太陽は山影に入ってしまっていましたが、いわゆるマジックアワーには間に合ったおかげでZabriskie Pointで刻々と夕空に照らされて色や表情を変える赤や黄の山肌を楽しむことができました。ここはなかなかの絶景でしたが、やはり崖には柵が無く、子どもが心配になるような高さの崖に余裕で立つことが出来てちょっとハラハラしました。アメリカの国立公園は小さい子供にはちょっとハードだなあ。

 

存分に絶景を楽しんだ後は、暗くなってきたので、予約していたOasis Death Valley lnnへ。ここはZabriskie  Pointからもそう遠く離れてはおらず、夕方5時にはホテルに到着出来ました。あまりろくに昼ごはんを食べていませんでしたから、駆け込むようにホテルの部屋に荷物を降ろすと、レストランまで向かいました。ロッジがいくつもあるような構造になっており、それぞれのロッジが10数部屋あるような二階建てのホテルになっていました。おおよそ、9棟ほどあるのと、レストラン棟や受付棟やプールや公園、テニスコートやバスケットコートまで完備されていました。人の作った現代的なエンターテインメントは何も無いデスバレーですが、冬でも暖かいのでバカンスに来るのにも良い場所なのかもしれません。

 

レストラン棟ではまさかの仕事での知人にもばったり会いました。みんな似たような日程でラスベガスやらデスバレーやらグランドキャニオンやらセドナを回るんですよね。

 

レストランでは1時間ほど外で待ちましたが、暖炉の前でお酒を飲みながらなんとか待つことが出来、レストランではthanksgiving当日ということもあり、thanksgiving Special dinnerを食べました。率直に言えば、グランドキャニオンを回った時に食べたthanksgiving dinnerより美味しかったですね。食事をしてから売店を少し覗いてからホテルの部屋に戻りました。部屋ではのんびりして、長い1日目が終わりました。

 

 

■2日目

2日目は朝起きてから、急に思い立った妻に率いられて再度、Zabriskie Pointへ。日の出が上がって来るのを見ました。こういう自然を楽しむのにも体力とか根性とか気力が要ります。高校生から大学生の頃は初日の出を桂浜に観に行くのが大好きだったし、大人になってからも夕陽を観るのは好きだったんですけどね。むにゃむにゃ言いながら結局はその素晴らしい景色を堪能しました。妻には感謝感謝です。

 

■Bad Water

ホテルに戻り、レストラン棟で朝食を済ませて、身支度を整えてホテルを出る頃にはほかの宿泊客は結構ホテルを発っていました。慌てて、車を走らせて着いた先は Bad waterという海抜ゼロメートルよりも低いエリア。地球の中でも最も低い地表の1つだそうでして、昔は塩湖があったようです。今も名残はあるものの、湖のサイズは年々小さくなっているようで、今はもはや池みたいにしか見えません。 Bad waterという名前からは毒水を想起しますが、単に塩湖ということですね。ただ、水のないデスバレー という不毛の大地で、ようやく見つけた水源が塩湖で飲めないことを知った時の探検者たちの気持ちが込められたのがこの場所の名前なのでしょう。地図に Bad waterと書かれたのが由来だそうです。

 Bad waterに向かう途中、Devil's golf courseというエリアも通り過ぎたのですが未舗装路だったので、パスしました。

 

たどり着いたBad waterは延々と広がる白い大地。これは雪のように見えますが全てが塩でできていて、塩の大地なわけです。ここに歩いて入れます。駐車場からたいした距離が無いように見えてなかなか歩きますが、ど真ん中の方には本当に真っ白な大地が広がります。また、自然にできた紋様が不思議な雰囲気を更に助長します。ここが、かのL'Arc~en~Cielがwinter fallのプロモーションビデオで歩いていたり演奏していた場所でして、昔、リアルタイムでシングルを買った元ラルクファンとしては、まさか同じ場所に立つことが出来たのか、と感慨深いものがありました。昔はオープンカーで道を爆走するラルクの面々をプロモーションビデオで見るだけでしたが、同じ場所を爆走して、デスバレーを回ってるわけです。いや、そのことを知ったのは帰宅した後だったんですけどね。

昔、winter fallのpvを見ていた時はhydeたちが歩いているのは雪原だと思っていました。しかし、今改めて足元を見ると地面に足跡が残らないし、靴が地面にめり込んでいかないことに気が付きますし、白い大地にはあの独特の紋様があることに気が付きます。

 

 Bad waterを歩き、色々写真を撮りました。娘が途中で歩かなくなったりして抱っこにおんぶに苦闘しつつ、なんとか行って戻ってきました。久しぶりにトリック写真なんかも撮りました。旅行の醍醐味ですね。こういう遊びは。背景が真っ白で距離感が無くなるので、面白い写真が撮れますよね。

 

■Natural Bridge

車に再度乗り込むと、進んできた道を引き返し、Natural  Bridgeという場所へ。ここも未舗装路でしたが、他のエリアよりはマシに感じました。なんとか、駐車場に到着し、そこからは徒歩で0.5mile、とても奥まった狭い赤茶けた岩に囲まれた谷の奥に自然に出来上がったと思われる橋のような岩があります。その更に奥には枯れた滝も見ることが出来、過去にここは水の中で、この地形自体も水が流れて形成された場所であることがわかります。地球の歩き方にもそこまで詳しくは書かれていない場所でしたが見応えのある場所だと思いました。娘は朝早起きしたり、Bad waterを歩いたりで疲れたのか昼間っから車で眠りこけてしまったので、抱っこ紐で久しぶりに抱っこして往復しました。だんだんと大きくなる娘は当たり前ですがだんだん重くなりますね。でも、そんな重みはしんどいけどもまた愛おしくも感じます。

 

Natural  Bridgeを離れると今度は車で走り、Artist's palleteというエリアへ。ここは一方通行の起伏に富んだ道でして、山に向かって走っていきます。主に二箇所ほど車を停めて景色を楽しんだり絵描きのパレットの名前通り、色彩豊かな岩肌を楽しめます。この場所を離れるとデスバレー滞在は時間切れ。本当はDante's viewというエリアからデスバレー全景を楽しみたかったのですが、ラスベガスに行く時間が必要でして、2時過ぎにはデスバレーを後にしました。

 

■ラスベガス

デスバレーからラスベガスへは車で約2時間ほどかかります。激走して、死の谷からカジノのメッカに向かいました。デスバレー から脱出、という言葉がまさに似合うと思えるほどになーんにも無い原野をひたすら自動車は舗装路を走っていきました。途中ガソリンを入れたりもしつつ。

ラスベガスには何度も来てますが、殆どCESのためか、単に空港乗り継ぎのためでして、残念ながらラスベガスで観光を楽しんだことはあまりありません。

今回もラスベガスで何か特別なアクティビティをしようという動機は無く、単にPari'sに泊まりたかった、ということに尽きます。車はホテルの立体駐車場に滑り込み、ホテルのフロントでチェックインを済ませ、部屋に転がり込みました。いや、そんなにスピーディではなく、ホテルのフロントでは結構並んだりもしました。アメリカの古いホテルのフロントは大体、チェックインに時間がかかります。ニューヨークのホテルペンシルバニアほど酷くはなかったですが。Pari'sは客室は今となっては少し古めでしたが、サーカスサーカスほど古くはなく、綺麗なホテルでしたが、滞在期間中特に不満も感じませんでした。調度品や部屋の家具は可愛らしく部屋の壁紙もおしゃれでした。アメリカのホテルには無いセンスを感じました。いや、アメリカのホテルなんですけどね。

ホテルの中にあるレストランを妻が予約してくれたので、晩御飯もささっとステーキを美味しく食べることが出来ました。(1番有名なステーキレストランは混んでいていい時間に予約が出来なかったんですけどね。)

夜8時を過ぎ、夕食後にPari'sの前にあるベラージオの噴水を楽しみました。曲はセリーヌ・ディオンのMy Heart will go on。娘は大きな音に少し怖がっていましたが…

最後は娘は寝落ちしてしまい、部屋に戻り、のんびりと過ごしました。

 

■3日目

最終日は帰る日。

チェックアウト前に朝食をホテルのレストラン Mon Ami Gabiで食べました。このレストランの外のカフェテリア席からはベラージオが見えるわけですが、優雅な気持ちになりつつ、私はサーモンベネディクト、妻はクレープみたいなパンケーキ、娘はスクランブルエッグを食べました。お洒落な朝ごはんでした。結構混んでまして、色んな人のブログによると、結構カフェテリア席は待つことも多いようです。晴れてると抜群に気持ち良いですね。

このレストランでテーブルについてくれたウェイトレスさんが素敵なおばさんでとても細かく気がつく笑顔の素敵な良い人でした。子供にも気配りをしっかりしてくれて‥プロの仕事を久しぶりに客商売で見た気がします。なかなか、アメリカのサービス業はレベルが低いのでこうした行き届いたサービスを受けられる機会はありません。お金を払っても場所が悪ければサービスが良いとは限りません。

 

レストランでの食事をのーんびり楽しんでから部屋で片付けしてチェックアウトしました。ラスベガスは駐車場代もかかるし、リゾートフィーもかかり結局それだけで安いホテルの1泊分くらいかかるんですよねえ‥

パリスは駐車場代は1泊$12で、駐車場手前の支払い精算機での支払いでした。リゾートフィーは$44くらいかかってギョッとしました‥うーん、高い。

 

15号線から帰路に着きました。いくつか渋滞があり、なかなか思うように進まないエリアがちらほらありました。なんだかんだで帰途に着いたのが11:30頃で家に着いたのは夜の10:30頃でした。途中休憩やご飯もあったので仕方がないとはいえ、ラスベガスはなかなかにしんどいですね。事故無く帰宅できて良かった‥。

 

でも、終わってみると全体を通してとっても充実した旅でした。やっぱりロードトリップは楽しいなあ。次はどこに行くか‥