シリコンバレー(ベイエリア)外出禁止へ

日本語の記事だと途端に中身が薄く短くなってますが、明日火曜日から4月初旬までサンタクララ郡などの6郡不要不急の外出が禁止になりました。

 

r.nikkei.com

 

こちらがサンタクララ郡website

www.sccgov.org

 

レストランやバー、ワイナリー、なども営業が制限され、各種のお店も閉まっていたりします。

 

のみならず、Appleストアが中国以外全店で3/27まで休業というニュースがありましたが、それだけに留まらず、様々なブランドストアがしばらくの間、店を閉めることを発表しています。

また、カフェも基本、椅子が机の上に上げられており、食事を店内でとれなくなってるところが増えてます。grab & go(持ち帰り)のみOKの様子。

既にスタバは今日から対応していました。

 

勿論、必需品の買い物のために出かけることなどは認められていますし、流石にそれなりの行動の自由はあるとは思うのですが、明日以降の街の雰囲気は実際に体験してみないとわからないところもありそうです。一応、このorderには罰則規定もあります。

 

早くから中国からの直行便を規制していたはずのアメリカではなぜこのような急な措置になるのか?

 

これだけ世界中でコロナウイルスが話題になってきたにもかかわらず、ベイエリアではマスクをしてる人たちがつい今週末まで殆どいませんでした。(マスクはこの一ヶ月、どこのスーパーや薬局でも売り切れでしたが!)今週末からついにスーパーや街中でもマスクをしてる人たちを見かけるようになりました。(どこにあるんだ?と思ってたらやっぱり買ってる人がいたんだな)

 

それなのに、今になって、感染拡大が相当広がってるのではないか?と深刻なトーンで言われています。私が大好きなベイエリアのラジオKQEDでもトークのトーンも今日からはかなり深刻な感じです。(ベイエリアに住んでるラジオのパーソナリティにも家族がいるわけですしね)

 

元々、ベイエリアは中国と米国を行き来する華僑1世ー3世も多く、中国との行き来が多い中でこうした楽観的な姿勢が今回ばかりは大きくマイナスに働いた可能性があります。(起業家やスタートアップや大企業にとってはこの楽観的な視点というのが、とてもプラスに働くのですが) 

 

2月頭や中旬まで、中規模から大きなイベントもなかなか規制されていませんでした。早くから中国からの直行便を規制したことで逆にこのエリアの市民の間で「根拠の無い安心感」が広がり、「世界でのコロナウイルスの感染拡大は自分たちには関係の無い対岸の火事である」というように見えていたのではないか?という気がします。

 

ここ数日で一気に米国での感染者数や死者が増えるに従い、そしてトランプ大統領の非常事態宣言に伴ってようやく事態を呑み込みつつある、というのが今日のベイエリアに住む人たちの心境なのではないかなあとも思えてきます。

 

また、フランスやイタリアが対岸の火事ではない、という可能性を感じざるを得ません。

アメリカは世界の医療機器メーカー上位10社のうち8社がある医療大国であり、その医療体制はかなり充実してる一方で、そんなアメリカでも病床数には限りがあり、また、医療へのアクセス(つまり保険の有無/サービス内容の優劣)で相当に個人差が大きいため、あまりに感染者数が同時に拡大すると、適切な医療サービスを適切なタイミングで受けられない可能性が出てきます。また、直近の律速は病床数ではなく、人工呼吸器の整備数という話もあります。

 

検査体制の拡充やGoogleによる(正確にはその子会社のverilyによる)特設サイトをトランプ大統領は発表していましたが、こうした対策では当然に間に合わず、各郡での外出禁止などのアグレッシブな措置が必要なフェーズに突入してしまっている、ということなのだと思います。

 

皆様には大変ご心配をお掛けしますが、わが家は今のところは至って平穏であることをご報告もうしあげます申し上げます。

目下の課題は買い損ねてしまった日用品とおやすみになってしまった長女のプリスクール…でしょうか。

 

SF Chroniclesの記事がわかりやすく網羅的でしたので、日本語訳も付けておきます。

 

以下原文記事

www.sfchronicle.com

 

ベイエリアの「シェルターインプレース」指令:

6つの郡で4月7日までに670万人の不可欠な企業のみがオープン

 

2020年3月16日 更新:2020年3月16日午後1時15分

 

ベイエリアの6つの郡は、月曜日にすべての居住者のための「シェルターインプレース」指令を発表しました。

公衆衛生当局が地域全体へのコロナウイルスの急速な拡散を必死に抑えようとするため、今後3週間、できるだけ全員が家の中にいて他の人から離れるように指示する、国内で最も厳しい対策です。

これは、国内で最も厳格な手段であり、誰でも次の3週間は公の場でできる限り家の中に、他の人から離れるように指示します。

保健当局は、地域全体へのコロナウイルスの急速な拡散を必死に抑えようとしています。

この指令は、火曜日の午前12時1分に始まり、サンフランシスコ、サンタクララ、サンマテオ、マリン、コントラコスタ、アラメダの各郡(合計670万人以上)を対象としています。

少なくとも4月7日まで所定の場所に留まることになっています。

他の3つのベイエリア郡-ソノマ、ソラノ、ナパ-はすぐには含まれませんでした。

指令は完全なロックダウンには至らず、明示的な許可なしに人々が家を出るのを禁止します。

 そして、それがどのように、またはどの程度まで施行されるのか、すぐには明確ではありませんでした。

この指令は、保安官または警察署長に「コンプライアンスの確保」を求めています。

イタリアおよびその他の封鎖施設を設置した場所では、許可なく自宅外への旅行が制限されています。

また、警察は、公の場にいる理由がない場合は、家に帰るように命じています。

 

「(コロナウイルス)緊急事態のこの段階では、最も脆弱な人々を保護し、医療システムが圧倒されるのを防ぐために、ウイルスの伝播を可能な限り遅くすることが不可欠であるという科学的証拠が示されています。

 

 「伝達を遅くする実証済みの方法の1つは、実行可能な最大限の範囲で人と人との対話を制限することです。」

 

ベイエリアのこのOrderは、米国国内で最も制限が厳しいものです。

この地域は、人々ができるだけ家にいて、小さな社会的交流さえも避けるように指示した最初の地域です。

 

ワシントン州では、シアトル地域での大流行により400人以上が感染し、37人が死亡しました—月曜日の公衆衛生当局は、バー、レストラン、クラブ、ジム、その他の屋内の社交場またはレクリエーション施設は3月31日まで閉鎖されると発表しました。ワシントン州はまた、50人以上のすべての集会を禁止しました。しかし、この制限は、人々に所定の場所に避難するよう助言するまでには至らず、重要でない旅行を禁止しませんでした。

 

ベイエリアの6つの郡では、「徒歩、自転車、スクーター、自動車、または公共交通機関」での重要ではない旅行に加えて、あらゆる規模の重要ではない集まりが禁止されています。

人々は、必要な物資の買い物、ヘルスケアへのアクセス、支援を必要とする家族や友人への援助の提供、および非居住者のためにベイエリア外の自宅に戻るために旅行することができます。

空港、タクシー、およびBARTを含む公共交通機関は引き続き機能しますが、重要な旅行の場合に限り、可能な場合は6フィート離しておくことが求められます。

ベイエリアの6つの郡の人々は、食料や家庭用品などの商品を購入し、医療を求めることができます。

まだ一緒に住んでいない人から6フィート離れていれば、散歩や運動のために外に出ることができます。

ホームレスの人々は命令から免除されますが、避難所を見つけることを奨励されます。

 

この命令は、すべての「通常の医療予約」と選択的手続きのキャンセルまたは再スケジュールを要求しています。

「可能な限り、キャンセルまたは再スケジュールされていないすべての医療訪問はリモートで行う必要があります」とこの指令は述べています。

医療従事者を含む基本的なサービスを提供する場合や警察、消防、その他の緊急対応者、 そして、電気技師、配管工、衛生労働者などの公益事業者でない限り、全員が自宅で仕事をするか、仕事を止めてください。

食料品店と薬局は開いたままで、レストランは持ち帰り用の食べ物だけを提供するために開いたままにすることができます。

また、獣医サービス、ガソリンスタンド、自動車修理店、金物やその他の家庭用品店、銀行、ランドリーサービスも営業しています。

まだオープンしているビジネスでは、従業員と顧客の両方を6フィート離しておくことを推奨しています。ただし、内部に収容できる人数に特定の制限はありません。

年長者や健康上の問題を抱えている人は、新しい指令に基づくヘルスケアを除き、常に家の中にいるように言われています。可能であれば、誰かに買物をするよう頼むべきです。

Day Careは開いたままでもかまいませんが、子供は12人以下のグループに入れておく必要があり、毎日同じ子供グループと一緒にいる必要があります。

ベイエリアの制限は、月曜日にホワイトハウスドナルド・トランプ大統領と彼のコロナウイルスタスクフォースからの新しい勧告の中ですべての年配のアメリカ人に家にいるように促し、誰もが群衆やレストランで外​​食することを避けるように促したことに端を発します。

次の15日間、アメリカ人は10人以上のグループに集まってはならず、学校教育は自宅で行い、自由裁量での旅行や社交的な訪問は避けるべきです。

世帯の誰かがウイルスに陽性である場合、そこに住んでいるすべての人は家にいる必要があります。

この指令は、新しいコロナウイルスによって引き起こされる病気であるCOVID-19の急速な拡大への対策として設定されています。

ベイエリアでは、アウトブレイクが始まってから251件の報告がありました。しかし、これらの症例の半数以上は過去4日間だけでした。

 そして、国家的な試験の不足は、診断されていない地域で、さらに多くの、そしておそらく数千の症例が確かに存在することを意味します、と感染症の専門家は言います。

大規模な集まりを制限したり学校を閉鎖したりするなど、ますます攻撃的な対応が病気の広がりを遅らせることはありません。

また、週末に公衆衛生当局は、人々を引き離すためにより多くの制限的な戦術が必要であることに同意しました。

当局は、ウイルスが今まで通り拡散し続けることが許されるならば、地域の病院が重病患者の圧倒によって圧倒されることを恐れています。

ベイエリアの発表は、ガビン・ニューサム知事が州内のすべてのバーを閉鎖し、レストランの定員を減らすようアドバイスした翌日です。

いくつかの州では、バー、レストラン、娯楽施設の閉鎖、および夜間外出禁止令の制定を発表しています。

また、今週日曜日に、米国CDC(疾病対策予防センター)は、50人以上のすべての集会を全国的に停止するよう要請しました。

これは、これまでの中でCDCの最も強力な勧告です。

月曜日の朝の時点で、米国の症例は4,000人を超えていましたが、実際の感染者数ははるかに多くなっています。