インターネットやSNS上で人種関わらず、さまざまな人が書き込んだ「道端で話してたら警察官に注意され$400のチケットを切られた」という噂が3/17以降駆け巡りました。私もそんな話を書きましたが、この話は元々は誤解から起こった話みたいですね。また、「カウンティを跨いで移動したらチケットを切られた」という話も恐らくはデマではないかと思われます。
各種SNSではチケットの画像付きの投稿が流れてるのですが、まずこの画像というのがeast bayのパーキングバイオレーションチケットに「shelter in place orderを守ってなかった」という文言が付いた3/17 9:30am頃のものが色んな人に拡散されたようです。
このチケット自体はfakeではなく、なんと実際に発行されたもののようですが、それはもともと、州立公園の人たちがshelter in place orderを勘違いしてハイキングに来ていた人にチケットを切ったもののようです。その時の罰金は$43程度のものだったそうです。詳しくは下記記事にも一部の顛末が書かれています。
で、このチケットの画像を早とちりした誰かが「shelter in placeを守らなかったら$400の罰金を取られるらしい」という話にすり替えてインスタやTwitter、fbに流したみたいでそこから伝言ゲームで伝聞がベイエリア全体に伝わっていったようです。
今でもTwitterなどでは、「400 tickets」などのキーワードで検索するとこの件に関してのツイートがたくさん見つかりますし、日本語でも同様です。
この噂は必ず、「誰かの友達の友達」という表現でしか回っておらず、画像が付いてないケースも多いのですが、そもそもの根拠として一部の投稿ではこのチケットの画像が付いて拡散していますので、恐らく全てがfakeだと思われます。
日本語、英語共に調べていきましたが、この画像以外で証拠となるような画像も証言も出てきませんでした。
SJPD(San Jose Police Department)もこの件はデマであることをネット上で認めています。
Hearing rumors of police conducting pedestrian and car stops based on the shelter-in-place order. Wanted to clear up that SJPD is expressly prohibited from detaining individuals based solely on the shelter-in-place order. This policy was enacted the day the order became effective pic.twitter.com/l74yMvO0rS
— San Jose Police Dept (@SanJosePD) 2020年3月20日
このデマは面白いことに場所やシチュエーションがクパチーノやらマウンテンビューやらころころ変わっており、全てが「伝聞の伝聞」という形になっています。
よーく、落ち着いて調べればわかる話、というか推察ができる話ではあるのですが、みんな知り合いに良かれと思って気をつけて!と連絡を入れたつもりがデマの拡散に一役買ってしまったようです。こうした社会不安の時にはついつい、確認を怠ってしまいますが、
- ソースは何か?
- 画像であるとか動画に細工や不自然な点は無いか?(日時などのdetail)
- 他に同様の事例は無いか?
これらの点をよく検証しないといけませんね。
今回の話で言えば、
- 事前のサンタクララカウンティの指令には確かに法的な罰則規定の記載がある(罰金含め ということ
- しかし、発表時には警察はこの件で捕まえたりはしないようにする、とも言っていたこと
- また、警察が万が一注意するとしてもそれだけで$400という重い罰金を課すのはやはり社会不安を著しく煽る行為であり、今はもっと穏当な手段で人々に訴えかけるだろう、ということ。
- 一方で警察は不法営業している各種店舗に注意するためにかなり出払っていたので、そこら中で警察官はたくさん見られているということ
- 呼び止めるとしてその時にもその後にも抗弁は出来るはずだし、駐車違反とは違って個々人の犯罪歴/罪状にも残るわけで簡単には捕まえられないだろうということ
これらのことをやはりきちんと考慮してイチ住人として吟味するべきでした。