オンライン展示会を覗いてみた

events.vr-intelligence.com

 

案内が来ていたのでオンライン展示会+Webinarを覗いてみました。

中身に関する話は置いておいて。。。

 

■所感

オンライン展示会というのは来訪者を惹きつけるのが非常に難しいと感じました。実際の展示会との差を感じます。多分、慣れていくのだとは思うのですが、オフラインの実際の展示会で起こりうるセレンディピティ的なものがあまり期待できません。

これは、Amazonで本を買うようになってから本屋で得られていた偶然の本との出会いが得られなくなっていることとも似ています。

今回のReutersの主催するXR(AR, VR)に関するオンライン展示会+Webinarの場合、Webinarはやはり自分が興味のあるお題目や企業が説明しているものしか見ないわけです。これはまあ、実際のSeminarでもそうなので、実はまだWebinarに関してはまだ希望が持てます。つまり、集客はWebinarのお題目設定と中身と展示会の主題との関連性に掛かっていると感じました。

 

■オンライン展示会の集客

また、オンライン展示会自体がどれくらいの集客をできるか?というのもかなり大きいと思います。自分だけでないと信じていますが、オンライン展示会の開催自体はLinkedInやらメーリングリストとかで知ることが多いと思います。どれだけ、普段、メール配信して開封してもらえているないしはフォローしてもらえているプラットフォームか?という点がオンライン展示会のそもそもの成否を握っているように思いました。さもなければ、なかなかオンライン展示会+Webinarで成功するのは難しいように思いました。大企業がたくさん出ているところに出れば、有名ではない企業は埋もれてしまうけども、そこで興味を惹くお題目設定をできれば、母数が大きいので、たくさん集客できてポテンシャル顧客(Lead)を捕まえることが出来る、と。

なので、似たようなWebinar Eventがある中でどういう展示会に出るか、という展示会選びもまたかなり重要になってきます。今のところ、無料プラットフォームが多いのですが、今後有料イベントも出てくるでしょうけども、Pay Wallの高さが客の質を上げるのか、それとも閑散としたイベントになってしまうのか、などもまだまだ分かりません。あと、動画プラットフォームをどういうもので運営しているかも結構ポイントが大きい。おそらくは運営費用の問題だろうが、大画面にしてもできるだけ画質が落ちない動画サイトを使わないと来場者満足は満たせないように思う。あと、家からのライブ配信の場合、それが録画される場合などには配信者・発表者の通信環境も非常に重要だと感じました。(ネット環境が悪くて途中で落ちるなんて、もってのほかですしねえ。。。)あと、どれくらい盛り上がったのか、などもわかりづらく、このあたりはどうやって乗り越えていくのか、という点は気になります。今回のイベントで言えば、トップページに3000人以上がバーチャルで参加とありますが、バーチャルであれば開催場所に縛られない一方で、ふらっと見て立ち去った人も参加者数には含まれうるわけで。。。

 

■オンライン展示会での企業ブースページ訪問

で、オンライン展示会というだけあって、各企業がブースページを持っていて、デジタル名刺を送付できるようになっているのですが、これもまたなんというか、よほど興味が無いとこの送付フォームから自分の情報を送信しようとは思わない気がしました。ふらっと立ち寄って、展示物を見ていく、という感じでもなく、動画を見ていく感じになるわけですがここにも偶然性の仕掛けであるとか、ブース説明員とのディスカッションからの気づきや発見というものを得るためのハードルがやや高い印象を受けてしまいました。自分がより興味のある分野であれば、もしかしたらもう少し違った印象を受けるのかもしれませんが。。。

あと、企業ブースサイトに1秒でも訪問した人は訪問者数としてカウントされることになるんでしょうけど、滞在率なども公開してくれないと、ちょっと効果測定なども難しい。ジャンプページで企業名だけでなく、ジャンルできちんと分けるとか工夫が必要かなあ、とも思いました。

 

■Webinar資料

プレゼン資料は基本、スクショされることを前提とした資料選定が必要になってきます。(これまでのリアルセミナーでももちろん写真撮影されてしまうことは考慮に入れなければなりませんでしたが、今後は写真ではなく、ほぼほぼ完パケ資料をそのままスクショされるので、資料を顧客に提出しているのと同レベルのセキュリティ意識でWebinar資料は用意する必要があります。自社の競合も観ている可能性は考慮に入れる必要はあるわけです。でも、そんなことを言っていたら始まらないので、やるしかないわけですが。)

資料作成の要諦としては、セミナー資料作成と変わりありませんが、

・タイトル

・発表者紹介(顔写真+連絡先記載のこと

アジェンダ

・中身

・結論サマリースライド+連絡先

で15分から20分くらいというのが参加しやすいWebinarだなあ、と感じています。時間の長さはもちろん展示会の開催主体がおおよそ決めてしまうとは思うのですが。

録画されてしばらくはパブリックに残るものであることを考えると、特に服装であるとか、発表者紹介はしっかりした写真選定が必要だと思いました。発表者紹介では自身のトラックレコードを掲載するかどうかは結構重要に思いました。クローズドなWebinarであれば、カジュアル目にしたり、パブリックであれば硬めのものを用意したりとTPOに合わせて変えるのが望ましいかもしれませんね。動画で自分の映像も映る場合はできるだけ明るい部屋か照明を用意したほうがよいと感じました。(顔が暗いと印象も悪くなる)今後はWebinarのクオリティを企業としてもっと担保しなければならなくなるので、Webinar担当者の発表に際しての資料や話し方のレベルアップをきちんとしていく必要が出てくるのかもしれません。こうした能力や経験をたくさんしている人が歓迎される可能性も今後は出てくるやもしれません。(Salesでは必須能力になってくる?)

オンラインだと、ごまかしも効かないし、時間が限られているから事前の入念な準備も必要でしょう。(Live Q&Aがある場合更に。。。質問聞き取りづらいし。。。良いヘッドセットは必須?)

 

セレンディピティをどう担保する?

最初にAmazon vs. 本屋に例えましたが、実際オンライン展示会と展示会にはそれくらいの差があります。Amazonがレコメンデーションであるとか購入者評価で順番を変えたりすることを思えば、今後はオンライン展示会でも出展者費用に応じて、検索トップに来るようにしてもらえたり、広告枠の設定だとか、いろんな可能性は考えられますね。出展者を来場者がレビューする、なんてのもそのうち出てくるかもしれませんね。。。Amazonの場合はそれでもロングテールでだらだら売れるというのが期待されたわけですが、オンライン展示会の場合は1年に1回くらいしかない、「ミズモノ」であることを考えると、ロングテールなんてわけにもいかないので、最終的にはWebinar的なものを企業として自社HPで不定期ないしは定期的に開催するのが望ましい、という話になってくるような気がします。

Webinarスキルが営業マンに求められる時代待ったなし、ということでしょうか。