ゴーカイジャー ゴセイジャー スーパー戦隊ヒーロー大決戦 ★★★

TOHOシネマズ上大岡で公開初日に鑑賞。


子供連れがたくさんいる中で大きいお友達が一人で観るのは中々きつい。この手のヒーロー映画はあんまりレイトショーやらないから余計に辛いものがあります。レイトショーならひっそりゆっくり観られるんですけどね。 でも、映画館で観るメリットもあります。子供達がどういうところを観て喜んでるのかとかダイレクトに伝わるのが映画館。子供達があまり騒がなかったので、今回の作品は何気に大人向けなんだなあ、と感じました。確かにそうだよなあ。だって、ゲストで素面のデカピンクが出てたけどデカレンジャーだってもう何年も前の作品。現代日本の男の子が必ず通るであろうスーパー戦隊ですが、何気にどっぷり観る期間って短いように思うんですよね。対象年齢ってせいぜい5歳から10歳くらいなんではないでしょうか。そういう意味ではデカレンジャーですら、ゲスト出演しても誰かわからん子供達がたくさんいるんだろうなあ、と。テレビマガジンとか読んでるヒーローエリートは全作品大体わかるんでしょうけど…。そういう意味でも本当に大人向けなんだなあ、と。デンジマンとか私もわからんし!テレビマガジンにも素面の役者はそんなに載ってないでしょう。でも、あのあんパンのシーンは本当に泣けた。なんででしょ。昔のヒーローが子供達に夢を見ることを諦めないで欲しいって思ってることが伝わってくることが如実に伝わってくるいいシーンでした。

いやあ、これは中々楽しい作品でした。所謂、スーパー戦隊35周年を記念する映画作品だったわけですが、そういうお祭り要素を無視しても充分に鑑賞に耐えうる作品になっていたと思います。だって、私、全話観たスーパー戦隊シリーズ、今のところゴーカイジャーくらいですし…。あとはシンケンジャーと少しだけタイムレンジャーとかマスクマンとかライブマンとか…ほんとそれくらいの知識で観ても充分に楽しめる作品になっていました。


今回は派手にネタバレしていきますので、未見の人は気を付けてくださいね!









お話としてはゴーカイジャーの前日談としてのスーパー戦隊とザンギャックの戦いがゴセイジャー視点で描かれます。ここもゴーカイジャー第一話のシーンと新たに撮影したシーンをうまく組み合わせてあって見応えのあるシーンになってました。
シンケンレッド姫バージョンとか、ゲキレンジャーのライバル役の理央やメロが出てたりとか最近の作品のファンにも感涙モノのシーンも挟まってていて中々に嬉しいものがありました。展開はゴーカイジャーの第一話と同じく、戦う力をスーパー戦隊が失い、世界に散らばった力をゴーカイジャーが手にした、というところから始まります。が、今回の映画も例によって時間軸としては丁度、テレビシリーズで新しいレンジャーキーを手に入れてゴーカイシルバーが出てくるまでの間のところのお話になってます。なので、毎週、テレビシリーズをきちんと観ている人が一番楽しめるようになってます。私は今回初めて全話欠かさず観てるのでかなり楽しめました。

ゴーカイジャーはそもそも、テレビシリーズの出来が異常なまでに高いので、映画もその延長戦で観られたので非常に楽しめました。キャラクター描写としてはゴセイジャーを観ていなくても充分に楽しめるようになっていました。とはいえ、お話の展開で、ゴセイジャーの五人がどういう人間なのか、天使という設定の五人が対極にいるような宇宙海賊であるゴーカイジャーとどうやって相互理解していくかで充分にわかりました。

ゴセイジャーたちはゴーカイジャーの持ってるレンジャーキーを奪って、戦う力を取り戻します。そこから、ゴセイジャーゴーカイジャーのガチンコバトルが始まり、一旦間を置いて巨大ロボ戦までやらかします。そこから、レッド同士のサシでの戦いも行われ、そこで今回の悪役、黒十字王が乱入してきます。

今回は殆ど、ザンギャックは不干渉なんですよね、序盤以外。共闘し、そして互いの大事にしてるものがわかっていく、ことでゴセイジャーゴーカイジャーを認めていく、という流れは良くできていました。このパートに充分に時間をかけているからこそ、後のお祭り騒ぎも素直に観られるようになります。

そして、間に挟まれるコメディパートのようなデンジパンとかデカピンクのパトカーとかリュウレンジャーの亮が餃子で市民を励ますようなシーン。どこまで冗談かな、本編と関わらないままに終わるのかと思いきや、最後の最後できちんと伏線として活きてくるという熱い展開!まさか、バリブルーンのオモチャやデンジロボのオモチャがそういう展開に活かされるとは。全部のロボットではなく、二つに絞ったのはお見事。だって、上映時間には限界があるからね。映画として一番よかったシーンですね。この流れ。

敵として出てくる黒十字王は中々、インパクトのあるデザインでした。そして、怨念の塊という、非常に不気味な存在。レンジャーキーを奪って悪の手先として利用するわけですが、今回の映画で一番考えさせられたのはこのシーン。確かに全ヒーローと戦うシーンは中々見所もあるのですが、やはり正義の味方が悪の手先として、倒されるシーンは少し辛いものがありました。この点は、ディケイドっぽくて好きになれないポイント。テレビシリーズでもバスコの手先として利用される六人目ヒーローたちが倒されるシーンでも感じましたが、やはり正義の味方は簡単に悪の手先にはなって欲しくないわけでして…。倒されてレンジャーキーに戻るという描写もかなり丁寧にやっていましたが、それでもやっぱり心情的に受け入れ難いものを感じました。ゴーカイジャーの素晴らしいところとしてテレビシリーズでは一話ごとに先輩ヒーローが出てきてヒーローの力の源とでも言うべきものを伝授していく部分が挙げられるのですが、そのいいところをスポイルしかねない描写だと思うのですよね…。テレビシリーズで出てくるライバルキャラのバスコにしてもそうですが、そういう描写は極力控えて欲しいなあ、と感じる次第。

でなければ、ディケイドみたいなひどいことになりかねません。ディケイドはある意味で平成ライダーの世界を完全にぶち壊すキャラクターだったわけですが、お祭り作品としてもやはり、歴代ライダーを意思のない悪役として倒していくような描写は気分が悪かったわけで。ゴーカイジャーではディケイド以上に充分に気を使ってると思いますが、それでもやっぱりね…。

黒十字王を倒し、巨大化した後の展開では宮内御大などもゲスト出演してゴーカイジャーたちに有難い訓示を垂れるわけですが、ここでもゴセイジャーとは対象的に多くを語らないゴーカイジャーのいいところがきちんと節度を持って描かれてました。彼らは正当はではないからこそ、ゴセイジャーとの対比によって、口にはしないんだけど、他の先輩ヒーローに負けないくらいに大切なものを守りたいという気持ちはあることが、伝わる展開になっていました。いちいち口にするゴセイジャーとは本当に対象的。ゴセイジャーってテレビシリーズでも充分に正統派スーパー戦隊だったので、余計にこの二者の共演は面白い試みだと思いました。

黒十字王は35の戦隊の気持ちのこもったエンブレムが飛び出るバズーカに倒され、黒十字王がさらに巨大化し、黒十字城となって迫り来るわけですが、今回はめちゃめちゃでかくてご丁寧に東京スカイツリーまで出してくれたおかげでかなりのサイズの敵である事が観ただけでわかるようになってます。

そして、大ピンチに陥るわけですが、そこからの展開はいわゆる思いの力が彼らを救う、決して諦めない気持ちが、皆のヒーローを応援する気持ちが、ヒーローを救い地球を救う、という王道展開なのですが、ここの出来は本当に素晴らしかった。自暴自棄になっていたサラリーマンが諦めないでバリブルーンのオモチャを捨てずに頑張ろうと思った気持ちが、ヒーローを救う、という展開。うーん、胸が熱くなるような展開。歴代巨大ロボたちが助けにくるわけですが、これは完全にオモチャという形に託した夢を捨てなかった大人たちの気持ちが乗っかった展開なのですよ。トイストーリー的な意味でも胸熱な展開でした。 後は、スーパー戦隊のロボたちによる悪役フルボッコタイムののち、黒十字城を倒して大団円、ゴセイジャーたちはなんと、ゴーカイジャーにレンジャーキーそのものを返すのですが、この展開を考えるとテレビシリーズにはゴセイジャーたちは出てこないかもしれませんね。 エンディングも見応えがありました。

うーん、今回は本当に楽しめる作品でした。本当にオススメです。