昔書いた仕事についての私見より。

■何のために働くの?

何のために働くのか、ということをまず考える必要があるかもしれません。

■国民の義務

日本国民には3つの義務があります。それは「勤労の義務」と「納税の義務」と「子どもに教育を受けさせる義務」です。これは憲法で定められた義務です。権利じゃないですよ。法的な強制力は持ちませんが。。。
だから、実際には「何のために働くんですか?」という問いは結構ナンセンスなのかもしれません。人生が多様化しようが、価値観が多様化しようが、世界がグローバル化しようが、若者がニートや引きこもりになろうが、これらの義務は国民に課せられた義務です。それは変わりません。日本に住む限りは日本国民は働く義務があります。国民が働かない国はあまり発展しません。

裏を返すと、資源がないのに、いまだに世界有数の経済大国である日本という国の国民は一時はハードワーカーとして有名でしたし、今でもあまり自由にバカンスを取らない(取れない)国民としても有名だそうです。

勤労と国家の発展は密接につながっているのです。私たちの上の世代が一生懸命に働いたから日本はここまで、すさまじいインフラが整った国になったといえるのでしょう。豊かな生活もすべては勤労ありきなわけです。働いて、いい製品、サービスを人々に提供してその対価として報酬を受け取り、さらに自分の生活も良くしていく、納税する、子どもに良い教育を受けさせる、このプロセスを繰り返してきたわけですね。

メイドインジャパンは最初は安物のコピー品、粗悪品だと忌み嫌われましたが、その後に「いいモノはみんな、日本製」とマイケル・J・フォックスにハリウッド映画で言わせるほどに日本製品は世界の市場を席巻したわけですから。

■引きこもり

じゃあ、義務だからあなたは働くのですか?と言われたらそりゃ、そんなことを考えて働いている人はいないでしょう。先ほども書きましたが、生き方が多様化し、世界は一気に狭くなり、どこで働こうが、誰と働こうが、どこで生きようが、何をしようが、別にそれほど問題が起こらなくなりました。昔は地域の共同体におせっかいな人がいて、定職にも就かないでブラブラしている子の親は肩身が狭い思いをしたりしましたが、いまや地域の共同体、という存在自体もフィクションに近いものになりつつあります。近所付き合いを忌み嫌う人も多いでしょう。別に働かなくたってよくなったんです。親がお金を出してくれて、引きこもっていても生活ができるようになったんです。豊かなことも考え物かもしれません。多様性とは言いますが、皆が引きこもったら国がつぶれるよね。

それほどまでに豊かな国だからこそ、働く理由を求めるんでしょう。だって、無理に働かなくても、正社員にならなくても若いうちはなんとか生きていけますもん。

■働く理由や楽しさを論じられる段階

なんで働くの?という理由を乗り越えて初めて、働くことに楽しさとか意味を求められるようになるんでしょう。

以前にも日記で取り上げましたが、アメリカの心理学者マズロー自己実現理論の中で人間の欲求を5段階に分けて説明しています。

1.生理的欲求
2.安全の欲求
3.親和(所属愛)の欲求
4.自我(自尊)の欲求
5.自己実現の欲求

詳細は別の書物にゆだねますが、働く理由が見出せない引きこもりは既に現代社会で生きていくために必要な寝食も家という共同体も持っているので外の世界に出て行く必要がありません。
ただ、引きこもらずに働くことを選択した人間は働くことの意味を考えることになります。仕事をこなすことで最初はいっぱいいっぱいかもしれませんが、誰でも、自然と自我の欲求が芽生え、自己実現の欲求が生まれていくものです。仕事にやりがいを求め、できるだけ楽しい仕事ができれば言うことはありません。

■めんどうな社会人生活

社会人になる、というのは面倒くさいものです。親元を離れることになればなおさらです。税金や年金だって払わなくちゃいけないし、家賃だって水道代だって、電気代だって、駐車場代だって、携帯電話代だって、ネットの通信料金だって、払わなくちゃいけないし、洗濯や掃除だって自分でしなくちゃいけません。会社では上司やお客さんにガミガミ言われたりいじめられたり、無茶言われたり理不尽な思いに歯がゆい思いもするのが普通の社会人でしょう。いくら好きなことを仕事にしている人だってみんな同じです。つらい場面だなんていくらでもあるもんです。

■つらい社会人生活

http://www.t-pec.co.jp/mental/2002-08-4.htm

リンクに自殺者の統計が載っています。何万人もの人が自殺しています。1日に数百人が自殺している計算になります。半分くらいの人が健康問題を理由にしていますが、2割くらいの人は「勤労の問題」で自殺しています。仕事の何かしらを理由に自分の人生に幕を閉じてしまっています。
1ヶ月に数回は東京の地下鉄やJRは飛び込み事故が起きて大幅にダイヤが乱れます。通勤時間帯に通勤中に、それくらい、人生に絶望する人がいる、ということです。苦しくて、大変、忙しい、もうどうしようもない、だなんて考えて生活している人もたくさんいらっしゃることでしょう。

■私の友人たち(社会人駆け出し編)

看護婦の友人は不規則な夜勤でいつも大変そうです。昼夜逆転生活など当たり前、それでもいつも遊んでくれたりするんですからありがたいものです。でも、やっぱりなかなかに大変そうです。
ほかにも毎晩夜中も3時まで働いている友達が少なくとも2人ほどいますが彼らはとっても活き活きとしています。ワークライフバランスという言葉とは無縁の職場であったとしても、仕事と人生に何を求めるかによって、仕事に求めるものも変わってくる好例でしょう。彼らは仕事を通じて、自分を成長させてさらに新しいステージで活躍するための経験を積む場所だと今の職場を捉えています。そういう意味では一生をその会社で働く気はあんまりないのかもしれません。それもまたひとつの生き方だと思います。
土日に休みが取れない友人も数人いますが、彼らの中には土日に休みたい、という人もいます。それはやっぱり仕事の充実とは関係なく、人生を充実させたい、という欲求がまた勝ることがある、ということなのでしょう。

雑誌の編集者であったり、曲を作る人だったり、テレビ関係の仕事だったり、機械の開発者だったり、いろんな仕事をしている人が仕事にやりがいを見つけて、仕事を楽しんでいます。
一方で壁にぶちあたることだってしばしばだと思います。それでも、成長していくことで、壁を乗り越えて、数年経って過去の自分を「青かったな」だなんて思うこともしばしば、でしょう。
私を含めて職を変えた人の何人もいます。この時代、転職も珍しいことではありませんが、ひとつの仕事を続けられることはとても幸せなことだとも思います。

■自己分析

仕事を楽しいものにするか、楽しくしていけるのか、という問いに対して大事なことがいくつかある。

・自分が何をやりたいのか
・自分がどうなっていきたいのか(こっちが結構重要だと最近気づいた)
・自分が欲しいものはお金?時間?両方?
・夢は仕事にできる?

こういうことが人によって違うからそこをはっきりさせてから考える必要がある。仕事を楽しいものにするために大事なのは、まず楽しいと思えそうな職場や仕事を選ぶことでしょう。何を仕事にするのか、誰と仕事をするのか、どういう自分になりたいのか、これを真面目に考えてみよう。

はっきり言って、どれくらい真剣に考えるかで人生は大きく変わってくると思います。たくさん情報を集めて、早くから行動すればするほど就職活動の成否は大きく変わってくるでしょう。少なくとも私の周りで、就職活動に成功した人間で就職活動を適当にやった、という人はいません。皆、ちゃんと情報収集して、たくさんの企業を回っています。興味のない業界にも足を運んで話を聴いてみることが大事なのだと思います。世の中にはびっくりするくらいたくさんの仕事があります。サラリーマンなんてのは一番わかりやすいけど、サラリーマンにだって十人十色いろんな人生と仕事が待ち受けているのです。どういう会社、どういう仕事、どういう人と働くか。それをちゃんと考えること。

私はこのことをテキトーにやってしまったから早くに転職活動をすることになってしまった。ちゃんと考えてみよう。人生長いんだけど、実は自分の仕事を考える期間ってすごい短い。本当は30歳くらいに就職決めたってぜんぜん遅くないと思うんだけど。今の日本社会は新卒ばかり取りたがる傾向がまだ根強いので、就職活動をする時期というのはとても大事な時期なのです。たった半年程度でその後の人生が大きく変わってくることを考えれば、「わかんない」と一言で済ますのではなく、色んな人の話を聴いて色んな仕事、色んな会社、色んな人を見て学んでみるべきです。「こういう会社で」「こういう仕事を」「こういう人と」「こうなりたい」という具体的なイメージが固まってくるはず。


これがいわゆる自己分析、なんですけど、何もなしに自己分析なんてできないんですよね。一人で考え込む時間も必要だけど、色んな人に自分がどういう人か長所と短所を聞いたり、するのもまた大事なこと。どんなにがんばっても自分のことは自分では客観的には見れないものです。人との関わりの中にしか、「自分」なんて存在しないのだから。

■会社研究

自分がどういう仕事をどういう会社でしたいのか。
仕事の内容は実際に会社説明会でどんどん聴いたりするしかない。実際はやってみなくちゃわかんないしね。どういう会社かは、飽きるくらい気に入った会社、知りたい会社のHPを見てみればいい。
自分の志向と合っているかどうかは意外とはっきりとわかるはず。案外ときちんとどういう会社かを把握せずにその会社を受けようとする人は私を含めて多い。その会社のHPや資料を見て、色んな人の意見を聞いたりして、比較検討することが会社研究なのです。比較は、結構大事かも。この会社のこういうところは好きだけど、こういうところは嫌いとか。出来るだけたくさんの会社を並べてみることで。自分がどういう会社を好きなのかもはっきりわかってくる。自己分析と会社研究は切っても切れないわけですね。

■筆記試験

これは転職日記にいっぱい書いたから割愛


■自分が何したくて、この会社選んだって
言う人はどれくらいいるのか??

皆さん、どうでしょうか?進んで今の会社入った人もそうでない人も、どうでしょうか??意見を聞かせてください。


私はこれがしたい、というよりも、こういう自分になりたい、を叶えることができそうな会社を選びました。

持論ですが、会社選びは人生の充実に結構、直結します。そりゃ、まあ、別に会社とか選ばなくてもいいんですけど、自分できちんと考えて答えを出すプロセスというのは人生を生きていく上で自分に責任を持つ、という意味でもとても大切な行為だと思います。
社会や親や先生や学校や教育や政治や世界のせいにして、ただなんとなく巻き込まれながら忙しいせわしない人生を生きていくのはとっても簡単です。いつも誰かのせいにするのも簡単です。でも、そうではなくて、自分から自分の人生を選び取っていく人生を形作るそのプロセスが大事。そういう意味で就職活動って大事なのかもしれませんね。


私は仕事、楽しんでます。
何が?と聞かれると難しいんだけど!
でも、やりがいがあって、毎日充実しているな。