就活の相談されたときの返信より

昔、就活の相談されたときに受け答えしていた内容を掘り返してみました。結構偉そうに立派そうなことを語っていますね・・・・。3年前ですね。よくもこんな長いメールを返信していたなあ。。。もう、そのとき相談されていた相手はつながりが消えてしまったので記事にしようと思います。私もあまりに普通のこと言っているしね。


●本命企業以外のESや履歴書の志望理由が見つからない。
 →実際に説明会やセミナーに行っていない(HPだけでは)
   会社の志望理由が書けない。


■ES・履歴書を企業が使う理由

ESや履歴書を会社が書かせる理由はわかりますか?
簡単に言えば、受けに来た人全員を採用するわけにはいかないから
最初に書類選考を行って選別のために「ふるい」にかけているわけです。
企業の採用担当者はそれこそ、何百枚という数のESを読むわけで、
その中で「この人には会いたい」と思わせる「内容のある」ESを
書くのは結構大変だと思います。

■学歴主義は根強い

企業がESに大学名を書かせている場合はある程度大学名による
ふるいもかけています。勿論、色んな大学から人材を採る必要があるので
有名大学出身でないことが必ずしもマイナスではないと思います。
ただ、学歴での選別を行っている、という事実は知っておいたほうが
いいでしょう。悔しいですが、大学に入るまでの受験戦争を
勝ち抜いたという努力に対して企業は一定の評価をしているようです。

■ESに気合が入らない→でも企業研究は重要です。

だから、60社にESを送るという行為自体にあなたがナーバスになるのも
無理ありません。ただ、ES通過率というのはどううまく書いていても
6割を超える人は稀だと転職会社の人は言っていました。
転職と新卒の就職では事情が違いますが、おそらくはそう的外れの数字では
ないでしょう。あなたの言うとおり、気合の入らないESが出てくるのは
当然のことと思います。私だってそうでした。

時間がない、手間がかかる、それでも企業研究をしておけばしておくだけ
就職活動は有利です。もし時間がかけられるのであれば、飽きるまで
企業研究をしてみてください。会社資料と会社HPとリクナビHPくらいしか、
簡単に手に入る資料はありませんが、それらの資料を読み込んでおくことは
かなり意味のある作業です。意外とやっていない人は多いです。
そんな人のESよりは確実にあなたのESの方が目を引きます。


> ES60社って・・・志望動機だけ変えてただ同じことかいただけなんじゃ?!って思うんです。
> だって一つの会社を研究するのってほんと難しい。
> めちゃめちゃ情報があるし、実際話聞いた会社じゃないと本当にその会社がどんなもんかわからないです。
> その会社について熱く語れるようなところまで企業研究できるようにする=本命数社ってことになるんですかね。

そのとおりだと思います。あなたはよくわかってますよ。
実際、志望動機の文章だけを変えていくようになってしまうかもしれません。
でもそんなESが通ることってあまりないと思います。
時間が許す限り真剣に向き合ってひとつひとつの会社に応募してみてください。
「実際話聴いた会社じゃないと本当にその会社がどんなもんかわからない」
というのも私はそのとおりだと思います。

実際に面接に行ってみて、説明会に行ってみて、
初めて「ほんの少し」その会社についてわかります。
いや、もっと言えば少しだけ「そこで働いている自分」が
イメージしやすくなると言ったほうがいいでしょう。

はっきり言ってしまえば入社してみないとその会社の実態はわかりません。
OB・OG訪問を重ねることである程度入社後のギャップによる
転職は避けることはできますが、就職には大なり小なり
「出たとこ勝負」な面があることは否定できません。
企業側も採用した新入社員全員が3年後も辞めずに残る、
と思っている企業は稀だと思います。

本当に行きたい会社が10社以上ある人は身体がひとつしかないことを
忘れている人でしょう。実際には1社しかいけないのですから
本命数社というのは当然の数字です。

> だとしたら、手を抜くわけではないけど、そのほか50社は、どの程度まで調べる必要があるのかな。。。
> だって本気が伝わらないESってすぐ分かるし、当然通過するとは思えないし、むしろ本気で書かないESは時間の無駄だと思うのは、間違いなですか??

50社もリストアップすること自体が相当大変ですよね。
どういう方法でリストアップしたのか、とても興味があります。
私は手抜きしてリクナビで探しましたが、
最近になって思うのは情報誌などを活用すればよかったということです。
そのせいで業界事情をほとんど知らずに超大手を大して受けずに
就職活動する羽目になってしまいました。

私の友人で高給で有名な某大手センサー機器メーカーに
勤めている友達は就職活動のときに「会社四季報」を読んで
会社をリストアップしたと言っていました。
私もそれを真似すればよかったなあ、とほんとに思わされます。

超大手なんて行けるのか、って話もありますが、
超大手はやはり誰もが名前を知っているだけに相当優良企業です。
たとえば、初任給だけに皆目がいきがちですが、寮があったり、
住宅手当がついてたり、引越し手当てがついてたり、
意外とそういう部分で大きく差がつくことはあります。
手取額が劇的に変わります。福利厚生が充実している分、
超大手は魅力あると思います。それだけ応募者も多いので
難関ではありますが・・・。
行きたい分野があるとして、その業界の最大手は
ぜひ受けて欲しいものです。
シェアの高い企業から順に受けたってそんなに数は多くないはずです。
採用活動の時期が早い企業であれば
本命のための面接などにいい練習にもなります。

■なぜ数を絞ると怖い?

本命数社だけに絞る、というのは経験上、避けて欲しいところです。
本命数社が不幸にも全滅したときに(失礼)、
エントリーをまた最初から仕切りなおすのはそれこそ時間の浪費です。
私はそちらのほうが怖いと思います。

今年は特に去年までの「超売り手市場」と違って
各社とも採用の枠を狭めており、
企業の正社員採用は狭き門になっています。
採用活動において予定数に達したら早々に採用活動を
終了する企業も多いと推測します。
(採用活動も予算にしたがって動いている。
不景気で企業の売り上げが見込めないのだから
売り上げから構成される予算も縮小されると考えるのが自然)
秋まで採用活動をやっている企業はあまりロクな企業がないパターンです、
今年は。(去年まではそうでもなかったのですが)

あと、こういうことを言うと失礼ではありますが、
今でも女性は就職が難しい業界とか職種があります。
企業のダイバーシティ(働き方の多様性の尊重)が叫ばれて
もはや久しいですが、私のいる会社にしたって、
本音では女性を本格活用できているとは言いがたい。
日本はまだまだ働く女性にとって厳しい側面はあると私は思います。
私の先輩などでもなかなか就職が決まらずに困っていた先輩がいました。
その人は4年の3月までやってました。ギリギリで就職が決まりましたが、
結局その会社も辞めてしまいました。
つまり何が言いたいかというと、
なかなか決まらない可能性も見据えておいて欲しいということです。
そのためには早期化する企業の採用活動にある程度合わせて
自分も数多くESを提出しておくのは愚策ではないと私は考えます。

つまり、出さないメリットよりも出さない場合の
デメリットのほうが大きいということです。だから、

> でも本命数社に絞るのも、また怖い話です。

というのはそのとおりだと思います。

> ESはさまざまですから、沢山書いておいて慣れておくことは(自己分析しておくことは)、たとえそれが練習の企業のものでも、後の面接や何かの材料にもなったりすることもあると思うので、必要だと思います。
>
> だから、無駄では決してないと思いますが、50も60もESを書く気がおきません。
> それは、私の気が抜けているからでしょうか。。。

おっしゃるとおり、全くの無駄ではありません。
書けるのであれば書きましょう。

ただ、そんな枚数、誰だって書く気が起きないものです。
はっきり言ってしまえばいくら就職したくたって、
ESを何十通も書いたことがどれくらい人生に意味のある行為なのか
私は判断しかねます。
ただ、忘れてほしくないのは何が目的で何が手段なのか、です。
最終目標は「就職」なのであれば「ES作成」であったり
「自己分析」であったり「面接」であったり「GD」は
通過儀礼」「目的のための手段」でしかありません。
今、会社に入社して働いている人はほとんどの人が
そういう通過儀礼を通過して会社に入社しています。
(皆が皆、60社分書いたとは思いませんが!)
書く気が起きないのは目的が不明瞭だからだと私は推測します。

「本命企業に入社する」のが「就職活動の最終目標」とするならば
他のすべての行為はそのための手段でしかありません。
他の企業、たとえば第3志望群(いやな言い方ですが苦笑)の
企業へのES提出も面接もすべて本命のための練習でしかないと考えると、
「そんなん意味あんの?」って思うでしょう。
でも本命企業へ応募できるのは一生で恐らく1回でしょう。
少なくとも今年は1回限りです。
(就職浪人はお勧めしません。企業に留年以上に悪いイメージを与えます)
その1回限りの大勝負に対して予行演習もリハーサルも
舞台稽古も基礎練習もないままに打って出たとして
果たして楽勝できるでしょうか。私は難しいと思います。
面接もES作成もGDもはっきり言って初体験の人が多いでしょう。
自分とは年齢の違う社会人と接する機会が多く
擬似社会人経験を数多く積んでいる人であれば
いきなりの大舞台でも臆せず話ができるかもしれません。
でも、相手は普段から社会に出てばりばり第一線でやっている人たち
ばっかりです。2次面接以降ではそういう人たちが出てきます。

彼らはあなたのことを
「うちの会社でどれくらい伸びてくれるだろうか」
「うちで長く働いてくれるだろうか」
「こいつと一緒に働くのはどうだろうか、いやなやつとは働きたくないな」などの
視点で見てきます。厳しい質問も出るでしょうし、
詰問に近いことを言われるかもしれません。
うまく対応できる自信があるのであればよいのですが、
自信がないのであれば色んな手段で経験を積んでおくことが重要です。

バイトや奨学金の面接以外で面接を受ける機会って
人生でそんなに多くないですからね。
練習した人が強いのは当然です。
それはスポーツでも音楽でも勉強でもビジネスでもそうです。
経験に勝るものはありません。


> ちなみに今エントリーしている会社は50社です。
> とりあえず今月履歴書またはESを書くのは8社で、うち本命候補は4社です。
> 本命のところを調べたい、一生懸命に書きたい、絶対通りたい!!!!と思うと、他のESは志望動機で何かいてよいか分からず、パニックです。
> (ちなみに本命というのはすべて �会社説明会に行って良いとおもったとこ �説明会の終わった後で人事の方を出待ちして個人的に話もし、ここはいいと思った会社のみです。)

すばらしい!!特に�のプロセスは積極性があっていいですね!
私はそういうことをやりたくてもシャイで出来ませんでした・・・苦笑。
�のプロセスもとても重要です。

でも、前述のとおりです、
もし「絶対通りたい!」と思う企業があって、
その企業の採用スケジュールがある程度わかっているのであれば、
その企業よりも面接が早く始まる会社を受けてみてください。
中小企業でもいいですし、面接や選考を受ける練習をしましょう。
いますぐやりましょう。

私の友達で某阪大学の薬学専攻だった人は
60社くらいエントリーしてました。
今は某製薬会社で勤務していますが、
国立大学で偏差値70以上の理系の彼らがその大変さです。
彼らは研究室の先輩に
「日本に製薬会社が何社あると思ってるんだ、
エンドレスでエントリーシートを書き続けろ」といわれたそうです。
ま、そこまで厳しいことは私は言いませんが、
このプロセスで手を抜くと後で苦労しますよ。

企業にそういう形で訪問できる機会はそうありません。
恐らくこの長い人生の中でも今だけしかできない経験です。
就職活動をできるのをラッキーだと思って積極的に取り組んでみてください。

練習のESや面接で「御社に入ってこういう仕事がしたい」と
イメージしながら話をするのは言ってしまえば苦痛だと思います。
私もとても躊躇しました。はっきり言って興味のない
滑り止めですらない企業へ行って面接を受ける、
というのはうそが嫌いな人にはつらいと思います。


> ですから、気になってはいるけどHPだけ読んで実際に社員に会ったこともないESを書くのは、正直つらいです。
> また「ESを説明会&1次選考当日に持参」というところも多くまだよく知らないのに・・と思いながら、志望動機どうしよう・・・といった感じです。

志望動機は軽いものでも問題ないです。
特に説明会が後の場合は、志望動機がそれほど詳しく書けないのも当然です。
企業のHPから最大限イメージを膨らますしかないでしょう。

たとえば私が本命ではないS楽器を受けたとき、
最終面接まで進みましたが結局面接自体に行きませんでした。
大阪から千葉県にわざわざ面接受けに行きました。
交通費も出てません。恐らく採用してもらえたでしょう。
でも私は最後まで店舗での営業には性に合わないと思い、
蹴ってしまいました。面接では会社に対して自分がどういう人間かを
アピールしました。
積極性や責任感をアピールしたように思います。
課外活動で〜というお決まりのフレーズも言いました。
ゼミも取らず、大学を遊んで留年した私にはそれくらいしか、
アピールできるものがなかったので。。。苦笑。
意外とそれでも選考は進んでいくものです。
ES通過率が0%というのは白紙で出す人か落書きした人でしょう。
また、最終まで進んだことや内定をゲットすることは自信にも
つながります。「私を必要としてくれている企業がある!」という
事実は就職活動中の人には他のどんなことよりも心強いでしょう。

> ●グループディスカッションで話がまとまらないと焦って無言になる。また自分の意見もうまくまとめられていない・・・気がする。


> 今まで2回練習してきましたが、どうしてもグループ内で話がまとまらなかったり、焦るあまりちゃんとまともに意見が言えているかなど、不安です。
> さらに、練習ではあまりにも司会役がとんちんかんだったので、「こうしたらどうでしょうか」というフォローを結構頻繁にした結果、「あまりでしゃばり過ぎるのも協調性がないと思われる」というコメントを指導員からいただきました。
> 自分は司会役に向いているとは思うのですが、テーマによって難しかったりでうまくまとめられないと思うと、なかなか立候補できません。


GDで司会役を買って出るということは悪いことではありません。
私が企業の立場に立って客観的に考えるのであれば司会役を設定するGDの
目的は下記のようになります。

・参加者の積極性
・司会役はちゃんと全員の意見を引き出せているか
・そのチームは結論をうまくまとめられるか
・メンバーはお互いがお互いの意見をしっかり聞いているか

たとえば、あるテーマに沿って結論を出さなければならず、
各員の意見を出してもらってひとつのGの意見として、発表する、という形式の
GDだった場合、一人一人の意見がきちんと尊重されているか、
司会役はそれらをうまく引き出しているか、聞いている人たちはきちんと
発言者の意見に耳を傾けているか(聞いていますよ、という相槌は大事)
といったことが大事だと思います。

何気に討論内容であったり結果は
それほど重要じゃなかったりします。

実際に企業に入ったときには色んな部署の色んな人の意見を
調整する必要があります。
そういったコミュニケーション能力の素養の有無、会社に入ってから
教育していくのが容易かどうかを見ていると推測します。

この傾向はすべての採用選考に言えます。別に質問自体は大事ではなくて
どう対応するのか、どういう答え方をするのかを見ていることがほとんどです。

GDではそういうところを見られています。

そこを念頭に置けばどういう風に自分が動いていくのが
より良いのかがわかります。
別に司会にならなくてもかまいませんが、たとえば、
自分が司会に向いているのであれば司会にトライするのはいいことだと思います。
SPIなどで分析されている場合、
会社側に調整役向きの性格かどうかは割合わかってたりするものですし。
逆に司会の方が有利だと思って司会を選ぶのはナンセンスです。
会社も「誰にでも得手不得手がる」ということはわかっています。
苦手なのに司会に立候補して、うまくまとめられないのであれば
無理に司会をする必要はありません。却ってリスクとなります。
その場合は、うまく意見を出してGの意見がまとまる方向へ
導くことが大事です。司会が頼りなかったら諭すことも大事ですが、
他の人の意見も引き出して「自分ばかりが発言しない」ことが
重要と考えます。

「あなたはどう思いますか?」
「彼はああ言ってますけどあなたはどういう意見ですが?」
「彼女の意見は少し違うみたいですけど、
 もう一度彼女の意見を深く掘り下げてみてはいかがですか>司会の人」など、
色々と発言を引き出すことは大事です。

司会として意見をまとめるときに大事なことは
質問であったりテーマのポイントを的確につかみ、
それを明確に参加者に提示してあげることです。

テーマ:S社はR社と日本国内でシェアを50%ずつ分け合う
製品を持っていますが、S社がシェアを獲得するために
下記のアクションを行おうと計画しています。
各班ではシェアを上げるのにどれが有効なプランかを考えて発表してください。
S社もR社もプランに注げるリソースは同じ額とします。
製品は携帯電話とします。

・広告宣伝活動費を拡大し、研究開発費を縮小する。
・研究開発費を増やし、広告宣伝活動費を縮小する。
・海外営業人員を増やし、海外でのシェアを獲得し、国内の営業人員を減らす
・海外営業人員を減らし、国内のシェアアップのために国内営業人員を増やす

司会者「私はこのテーマのポイントは1、2、3、だと思うんですけど、
    皆さんはどう思いますか?」

司会者が何も意見を持ってはいけないわけではないので先陣きって自分の
持っていきたい方向をある程度絞ってしまえばうまく自分が誘導したい方向へ
もって行くことができます。たとえばこのケースでは営業人員を増やすよりも、
広告宣伝活動を活発に行い、研究開発費は減らすべきだとあなたが
考えたとき、どうやってその方向へうまく議論が集約するかを
考えたほうがよいでしょう。

何か議論するときにもっとも大事なことはビジネスシーンでも同じです。
「限られた時間内で結論を出す」ことです。会議上では同じように
意見が違う人同士が話し合って一応の結論を導かなければなりません。
司会をする人は司会する人なりの、発言するだけの人は発言する人なりに
着地点となるゴールとストーリーはあらかじめ持っておいて
議論を始めることが何より重要です。

ゴールのない話し合いはいくらでも長引きます。そして決められた時間内に
物事が決まりません。ビジネスでそれをやると即損失です。少なくとも
その会議の時間は「無駄な時間」です。同じように考えて、GDのときには
必ず自分なりのストーリーを持っておくことです。そして、
話が合わない、かみ合わない、考えが違う場合もそれを真っ向から
否定したりしないことです。大切なことはどういう方向でまとめるか、です。

全く意見がかみ合わない人がいてもその人と同意できる部分を探して
部分的に妥協してでもゴールへたどり着くことです。

ゴールへたどり着くことが何より大事です。意見の違いも許容して
お互いがお互いを受け入れられるように努力することが重要だと
私は思います。