華南地区の雇用について

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/34752
製造業:安い中国の終焉

エコノミストの記事読んでて、こないだそんなことを日記に書いていたのを思い出した。こういう意見表明だったり、現状の視点確認・自分の思考整理の場にここを使っていきたいのよね。だから、しばらくはあんまり誰かに教えたりというよりは自分の雑記帳にとどめておきたい。

「華南地区、つまり、香港を中心とした中国の南方、沿岸部は製造業が盛んで日本からも多数の企業が現地に工場を出しています。製造がどんどん中国に出されたのはやはり、安い賃金の大量の労働者が魅力だったというのが大きいですね。日本も高度経済成長を通じて国民の所得は世界的に見るとかなり高いレベルになりました。その中で、日本で製造していたのでは割に合わなくなり、安い労働力を求めて次々と中国沿岸部に工場進出が進んだわけです。台湾企業なども深センあたりに進出してるわけで巷で言われてる通り、世界の工場として中国は数多くの電子機器、自動車、衣類、家電、などを製造しているわけです。

ただ、中国も次第に経済成長が続くことで賃金が上がりつつあります。安い大量の労働力を求めて、各国の企業はまだ賃金の安い内陸部へどんどん、進出していってます。AppleiPhoneiMacを受託製造しているフォックスコンというEMSなどは華南地区の法定賃金が上がるにつれて、即座に成都(チェンドゥ)に工場を進出させました。これまでは内陸部の農村部から、職を求めて労働者が出稼ぎに沿岸部に出てくる、というのが、華南地区の製造業の常でした。旧正月春節には大量の労働者が里帰りして、そのまま仕事に戻ってこなかった、とよく言われていましたが、昨今ではわざわざ何千キロも電車に乗って内陸部から出てこなくても内陸部にも仕事があるので、だんだんと次第に沿岸部への出稼ぎ労働者の数が減って人が集まりにくくなっているようです。さらに労働者の最低賃金も上がる一方。ちなみに、華北地区は華南よりは労働者の定着率は悪くないそうです。
ただ、日本企業は現地の人を採用してもマネージャーにしないので、結局、人が辞めていくんですよね。誰だってキャリアパスが最初から閉ざされていたら、やる気なくしますよね。

フォックスコンで過酷な労働環境が苦痛になり、自殺者が相次いで問題になったためにAppleが監査に入ったりして、フォックスコンは賃金を2,200RMB/月に賃上げしたわけですが、これは華南地区の最低賃金1,570RMBに比べるとかなり高い。そのためか、フォックスコン以外のメーカーは華南地区での人集めに相当苦労しているようです。次第に法定最低賃金も上がるに連れて、各企業は脱中国を検討し始めています。ベトナムやタイ、マレーシア、など候補はいろいろと挙がっているようですが、まだ中国のように安定してそこそこの質の労働者を集めるのには苦労しているようです。電力などはどこの国も似たり寄ったりで不安定のようですが。」