3/17-3/20香港ー深センー東莞ー珠海


月曜日。
朝からスーツケースを引きずり会社に向かい、出社。メールチェックし10時40分には会社を出て顧客との打ち合わせに。延期になっていたとてもとてもヘビーな交渉をこなし、顧客とお寿司を食べつつロシアの米国債売りの円高への懸念とか話していた。輸出系企業ですからね。
その後、一旦社に戻ったものの小一時間ほどして会社を出て日暮里からスカイライナーで成田へ。山手線内からだと、JRより圧倒的に早いですよね、スカイライナー。
スカイライナーで成田に到着し、Wi-Fiレンタルしたり手土産買ったりしてからチェックイン。スーツケース預けて出国手続きを済ませて、コーヒー飲みながら仕事をしてた。
今回は成田から香港へ向かう。18時半-22時半(現地時間)という5時間程度の空の旅。映画は三谷幸喜清須会議と、エンダーのゲームを観た。台湾に行ったときは大脱出とかソーを見ていたのでつくづく自分はB級SFが好きなのだなあと思う。
機内食は和食を食べ、映画の後は音楽聴きながらウトウトしていた。飛行機はほぼ定刻通り、香港国際空港に到着した。数年前に、香港に来た時は深センまで自分で移動したんですよね。一回は乗合タクシーで、一回は地下鉄やタクシー利用して。

今回は深センのファンガンを目指して乗合タクシー利用…と思ったら乗合タクシー乗り場だったはずがバス乗り場になっており、一人150HK$だったはずが100HK$だという。安くなってるのは良かったが香港ドルに両替し忘れてて危うくバスに乗れないところだったが、バス乗り場のおねえさんが優しい人で人民元でも許してもらえた。(いいのか、そんなんで!)
時間が23時半と既におそらく最終便だったことも影響してると思う。バスのカウンターからバス乗り場まで連れてってくれたおねえさんには感謝しなくては。ありがとう。

30分くらい走るとファンガンのイミグレに到着。バスを一旦降りてイミグレを済ませると通過した先にまたバスが待っててくれてそこから深センに入りました。ファンガンに着いたところからタクシーに乗り、携帯電話で中国語話せる商社の人にホテル名を告げてもらい、なんとか深センのあるホテルに着くことができました。また、このホテルがなかなか手強くてフロントは26階にあるくせに部屋の44階に行くには一旦エレベーターで一階まで降りてくれ、という。めんどくさいなあ、と思いつつ、なんとか部屋に辿り着くとホテルの部屋があかない。カードキーをかざすタイプだったのだけど、全く反応しないので困って廊下にある電話からフロントにかけて、英語で「Excuse me. My room key doesn't work.」と伝えたところ、実は44階ではなく42階だったことが判明。
「Really?oh,what is your room number? I'm sorry ,I had a mistake to write down wrong room number.」
フロントのおねえさんが部屋番号を書き間違えただけだと言う。で、42階に辿り着き部屋で寛ごうとしたのだけど…このホテル、600HK$(8000円くらい?)とそこそこするホテルの割に部屋のアメニティとか間取りが複雑で随分混乱した。特にお風呂の間取りとかには笑った。短辺側からしか入れないお風呂は初めてだったなあ…。(文章ではわかりづらいですよね)寝たのは2時半を回ってた気がする。あとはドライヤー壊れてた!本当に残念。

火曜日。
あまり寝られず朝になってからレストランを利用する気にならずホテル周辺のカフェで済まそうとするものの、朝早くはカフェもあいてなくて、仕方なくファミマでパンとカフェラテを購入。意外と美味しかった。日本と変わらないね、深センあたりの大都市は。そういえば昔、このあたりで某商社の人とダンキンドーナツ食べたことを思い出して懐かしくなった。

そこからスタッフと朝合流して自社の深セン工場へ。保税区の中にあるのだけど、朝の通勤ラッシュ時だったので中々に人で混雑してる。
今回合流したスタッフは半年くらい前から一緒に仕事してたのだけど、会うのは初めて。結論まで導き出すスピードが早く日本語の理解力も高くコミュニケーション能力も高い。人間関係を築くのも上手。難易度の高い仕事も難なくこなしてしまう人。昔11年も日本の佐世保の島に住んでいたそうで日本の田舎は今でも好きなのだという。その頃は造船会社に勤めていたのだそうだ。田舎で自動車のタイヤがパンクして困った時も田舎の人たちに助けてもらったこともあり、日本の田舎の人たちは心優しい人達が多い、と話していた。日頃の感謝の気持ちを込めてお土産を渡した。そして、今取り組んでいる仕事の全体像も理解してもらえるように概況をホワイトボードを使って説明しました。

自社の深セン工場では工程見学させてもらった上で、会議室で仕事をこなして昼前には商社と合流し一路、東莞に向かった。車で1時間半ー2時間くらいだろうか。
着いた先で中華料理を食べた。(東北料理、だという)豆腐の皮を使った料理や少しピリ辛な味付けの海藻料理が多いと言う印象。
そして、お客様のところで打合せを実施。相手が日本人ということもあり打合せはスムーズに進み、聞きたかったことも大体聴けて成功裏のうちに東莞を後にした。
東莞から一旦深センに戻り商社の車を別の車に乗り直して、珠海に向かった。これが遠かった。17時半くらいに出て着いたのは20時10分くらいだった。おおよそ、陸路で3時間くらいかかっている。疲れ果ててホテルに着くとチェックインは27階だという。上層階でのチェックインが流行ってるのだろうか。恐らくはセキュリティ対策なのだろうけども…。その後、近所の日本料理屋「田舎屋」という店でご飯を食べた。珠海にはキヤノンパナソニックの工場もあるらしく、私が泊まった周辺には10件以上の日本料理屋があるという。

で、ご飯を食べていたときに聞かされた話として、フェリーで来ればよかったのに、と言われたのですよね。意味がわからなかったのだけど、深センや香港から珠海にはフェリーが定期的に出ているというわけです。そして、車では二時間半とかかかる旅程がフェリーだとものすごく早くて一時間とちょっとで着く、と。確かに地図を見ると海路の方が陸路よりも近いのかな…とは思うもののあまりの時間の差に驚くわけです。イメージとしては神奈川から千葉へ行くのにアクアラインを通らずに東京経由で行くのか、アクアラインで行くのか、くらいのイメージかなあ、と。知ってたらそうしたよ!


飲みながら話をしてて商社にお願いしていたお仕事の仕組みが徐々に整って行っていることがわかったので、よかったよかったと思いつつ、ホテルの部屋に戻り寝ました。ホテルのドライヤーはそこそこまともに動いて満足でした。

水曜日。

朝カーテンを開けるととても綺麗な朝焼け。霧さえなければもっと綺麗な朝焼けが見れたのだろうなあ。

朝ごはんは29階の回転レストランで…と朝食チケットに書いてあって、何が回転するのかと思っていた。着いたら円形のレストランで真ん中にビュッフェ形式で食べ物が置いてあり、外周は360度窓ガラスという間取り。外の綺麗な景色がよく見える。
朝ごはんを食べてこの日記を書いてたところ、なんだか揺れるなあ、と思っていたらよく見ると景色に違和感がある。あれ?なんか料理が遠くなったような…。そして、ふと足元に目をやると微妙に床が動いてる!そう、このレストランは床が可動式になっていて段々外の風景が変わっていくという仕掛けが施してあったのだ。ホテルの上層階からは確かに綺麗な景色が見られるとは思っていたが、まさかこういう仕掛けが施してあるとは思いも寄らなかった。日本でもここまでのことは中々やらないよねえ。朝、起きてきた技術者や海外マネージャーと驚いていた。
レストランの朝食はどこにでもあるビュッフェだったものの、味付けは東北料理以外は割とあっさり目で塩っけのない味付けでした。

レストランでご飯を済ませ、ホテルのロビーに集合しタクシーに乗り顧客に訪問。ホテルからは車で15分ほどでしょうか。工業団地の中にその工場はあり、会議室に通されてしばらく待っていてくれという。そこで、パソコン開いて仕事していたものの、いつまで経ってもお客様は会議室に現れず、朝9時半の約束だったのに結局11時半になってもお客様は会議室に現れず、ようやく現れたらお昼ご飯食べてからにしようと言う。まあ、確かに今日は時間は長めに取ってあるけど、待たされるために取ったわけではないんだけどなあ。海外用のWi-Fiを成田空港でレンタルしていたおかげでこの間、私はオフィスにいるのと同じ感覚で仕事出来たけど、プレゼンに向けて資料も作って張り切っていたものの拍子抜けしてしまったわけです。

歩いて5分ほどのところにある中華料理屋さんでお昼ご飯を食べました。ここでもピリ辛中華料理を食べました。なかなかに美味しかったです。

そんでもって、お昼からようやく顧客ら7名ほどが現れて会社紹介やら何やら出来ました…が、まだ先方も組織再編の真っ最中ということもあり、あれもこれも未整備、でよくわからないということのオンパレード。先方の名刺すら殆ど未発行で受け取れないような始末。ようやく事情に詳しい人を見つけて話を聞こうにも、忙しくて会議室を出たり入ったり。お客様が忙しい時期に来てしまったこちらも悪いのだけども…。
うちの商社も含め技術関係の質疑応答になると商社は出番が無くなるとでも言わんばかりにメールしてたりするのだけど、電子材料扱う商社なら少しは気合入れて技術の話も理解してもらうようにしなきゃいけないなあ、と思うわけです。いわゆる商社が携わる口銭商売というのはよくペーパーマージンやら物流やらで付加価値を付けるわけですが、電子材料や部品を扱う技術商社たらんとすれば、技術の話もできる商社の方がいいに決まってるのですが、中々そういう人を育てるのは難しいものです。私が過去に手塩にかけて育てた別の商社の担当者たちはある事情でみんないなくなってしまいました。

今、考えると彼らは製品のことを積極的に学ぶ姿勢がきちんとあった商社だったのです。製品や市場を理解して把握して顧客に対して責任を持って接する。時には毅然とした態度でメーカーを守ってくれる、そんな貴重な財産のような商社をうちの会社はぞんざいに扱い、私が過去に付き合ってきた人たちのチームは結果として解散され散り散りになってしまいました。知識も技術も経験も学ぶ姿勢もあった彼らのことを守れなかった自分の力のなさを悔やんだものの、同じことを繰り返してはいけないなあ、と思わされたのでした。

話がそれました。

そんなプレゼンもなんとか乗り切り、キーマンから聞きたい話を聞き出すことにも成功し、夕方17時くらいになりようやくホテルに戻ることが出来ました。晩御飯を食べて珠海の夜は更けていきました。商社の人たちは何人かいたのですが、日本から来ていた人は今日のうちに香港に行かなくてはならず、別れました。

最終日木曜日。帰国日。
さて、朝になってメールをチェックしたりしてると昨日、深センに戻ろうとした商社の人のフェリーが霧の影響で欠航になっていたことがわかりました。確かに昨日は夕方になってからものすごい霧が発生していて、本当に5m先も見えなくなるほどでした。霧のせいでマカオから蘇州に行こうとした別の商社の人も飛行機が飛ばなかったとのこと。
フェリーが欠航になってしまった商社の日本人は結局、白タクに700RMB払い、深センに向かったものの、東莞でものすごい渋滞に巻き込まれ4時間かかって深センに着き、そこから香港に入り珠海から香港国際空港まで都合6時間もかかり、夜中の3時半に香港国際空港で寝ずに私に別の報告メールを入れて来ていました(ハード過ぎる…)

慌てて朝ごはん食べながら台湾人の商社の人と朝の対応を相談しました。この時期、珠海では朝夕の急激な温度差により毎年深い霧が発生するとのこと。確かに珠海は海岸線沿いで海まで晴れたらきっとものすごく綺麗な眺望なのだろうなあ、と思わされる景色なわけです。この滞在中、一度も海の霧が晴れることはありませんでした。無念…。
ホテルのフロントでフェリー会社にいろいろ聞いてもらってもどうも埒が明かない。そこで、仕方なくマカオから飛行機に乗る予定の商社の人と技術者と一緒にタクシーで珠海のフェリー乗り場まで送ってもらうことにしました。商社の人は台湾人で中国語は問題なく通じるのですが私はさっぱり中国語は話せません。商社の台湾人もフライトのためにマカオに行かなくてはならず、何かあったら電話する、ということでフェリー乗り場で別れました。

珠海のフェリー乗り場にたった一人、ぽつねんと残された私。

これまでも香港から深センの単独移動や深センでの単独行動、シンガポールでの街ブラなどは経験がありますが、今回は中々に難しい。何せ天候が変動したらその場の機転で交通手段を変えなくてはならない。

香港国際空港まで1時間半と少しで行ける香港行きのフェリー(180RMB)か、
3時間以上かかる深セン空港行きのバス(100RMB)か、
同じく3時間以上かかる深セン羅漢(ローフー)行きの白タク(700RMB)か。

当然、ベストアンサーはフェリーだけど、フェリーは天候次第で出るかわからない。

7時半にフェリー乗り場に着き、誰も通訳はおらず、どうも電光掲示板を見ても要領を得ない。「香港国際空港行きは欠航」の文字が並んでるのでここは深センまでバスで行くか、とバスチケットカウンターで買おうとすると香港行きのフェリーあるよ、と言われる。フェリーチケット売り場は人だかり。仕方なくそこに並び、英語でキャンセルになってるのか、聞く。
クーロンの香港フェリーターミナル行きと香港国際空港行きとがあり、香港フェリーターミナル行きであれば8時の便は急遽出るよ、という。9時半の香港国際空港行きは現時点では欠航判断してる、という。おそらく天候が晴れてきたら欠航しないのかもしれないがどうも、それを1時間半も待ってるのは時間が勿体無いし、リスクが高いと感じたわけです。クーロンに着いてさえしまえば後はどうとでもなるに違いないと判断し、8時の便に乗ることに決定。こういう時の判断力は最近、昔に比べてビシビシ出来るようになったなあ。

当然中国から香港に入るので出入国審査(イミグレ)があるのですが、これはこれまでの有人タイプのイミグレで最速でした。(自動化ゲート除く)7時50分にチケット買って、イミグレ通るのに5分、座席に座ってしばらくすると出航!中国にしてはスムーズな乗船でした。飛行機とは大違いだな。
フェリーに乗り込むとやっぱり一般客席は騒々しい。VIPに乗った方がいいよ、と言われたけどチケット買い損ねたので仕方なく一般客席でじっとしてることにしました。
朝5時半と早起きしたせいで眠りに落ちてしまいました。
はたと気が付くともうフェリーは香港のフェリーターミナルに。イミグレを通り、香港フェリーターミナルに着きました。本当に1時間と少しで着いてしまいました。早い。

ん?ここ見覚えあるぞ?と思ってたら昔、泊まったロイヤルパシフィックホテルの下にあるフェリー乗り場でした。ちょうど2年前、香港から恵州と深セン行った時に泊まったホテルでした。
あーー!ここかー!とひどく納得して懐かしくなり、昔同僚が「このホテルにはフェリーターミナルが一緒になっていてとても便利なんだよー」…と説明してくれてたことを思い出したのでした。そして、過去の記憶を掘り返して行くと、タクシーでカオルーン(九龍)に行けばそこから空港までは電車で一本であることを思い出したのでした。タクシーをつかまえ九龍駅へ、そこから電車に乗り空港に向かいます。九龍駅には実は展望台があり、そこからの海の眺めはとても美しいらしいのですが、珠海で出ていた霧は香港側でも一向に晴れる気配は無く、展望台には登らずにおきました。またいつか来る機会もあるでしょう。

なんとか香港国際空港に着いて、チェックインしてスタバでお昼ご飯食べながら空港の無料Wi-Fiで仕事してました。

15時半のANA便で成田に帰る便に無事乗ることが出来ました。よかったよかった…。

海外出張してるといろんなトラブルが起きるものですが、案外となんとかなるものですが今回は肝を冷やしました。確実な移動方法というのは飛行機や車、電車でもあり得ないわけで、そういう時にどういうオプションをあらかじめ用意しておくというのは大事だなあと感じた次第です。

帰りの飛行機ではホビットの続編観ました。ってか、終わり方が!!すごい中途半端なタイミングで終わった…