父が来た。

父はアマチュア無線が趣味で今回は東京ビッグサイトで開催されていたハムフェア2014を見るために来た。いや、正確には本題は別にあるのだけどそれは大事な話なので別に書く。
ハムフェアでは全国のアマチュア無線ファンが結集し、同窓会兼コミケ兼掘り出し物市兼メーカー展示会という中々にマニアックな空間になっていた。全盛期は70万人とも言われていたアマチュア無線ファンはいまや、20万人くらいまで減少しているとも言われているが、実際、白髪の初老のおじさまがたが多く、若い人はあまりいなかった。まー、アマチュア無線と言えば、インターネットが普及していくとともに廃れたもの、とも言える。真空管アンプ搭載の無線機は高価だが、筐体は大きく、プレミアの付いた完動品は結構高い。ものによっては20万円は軽く超えてくる。父は東京ハイパワーという倒産した無線機メーカーの古い機種を6万円で買い、また動くかどうかよくわからないが、新品のようち見える真空管を三つくらい買ってた。まー、還暦を越えた父にも楽しみは必要だろうが、たいした値段交渉もせずにその金額の無線機を買うのにはやや焦った。むーん、普段から服にお金を使わない分、こういうところにはあっさりとキャッシュを積むなあ。

父は高校時代からアマチュア無線ファンであり、断続的にアマチュア無線を趣味として移動運用したりタワー建てたり無線機買って来たりと様々なことをやってる。もう、仕事はリタイヤしているため、実家で畑をしながら無線や釣りに興じているのだ。

父は胆石が10数個見つかり、これから手術などが控えている。胆石は少なければ超音波で砕いたりするらしいが、数が多いとそういうわけにはいかないらしい。その他にも具合の良くない部分が目立ち、少し辛そうだった。お盆の際、食事した後、吐いていたのを見て心配になり、何度も通院するよう忠告したが病院に行きそうになかったので、妹に話をして妹から説得してもらったのだった。
父はようやく気が変わり病院に行ってくれることになった。いざ、治そうとすれば大変なのはわかっているし、様々な人と離別して来た病院という場所が嫌いなことも知ってはいるけれど、それでもやっぱり子供たちからしたら親には出来るだけ元気でいてもらいたいな、と思うわけです。私は父には大変な苦労をかけたし、恩を仇で返すような真似を少なくとも2回はしているのだけど、(留年と前の会社を辞めたこと)父はそれでも私が海外転勤することも、再出発することも応援してくれている。本当にありがたいことだと思っています。そんな私の最大の理解者の1人が病気で辛そうにしているのはやはり見るにたえなかったのです。
さて、そんな父はハムフェアに来られることになり、楽しそうにあれこれと物色してその後、コーヒー飲んで鎌倉の鶴岡八幡に行き、お参りし、戸塚に戻り立ち食い蕎麦で蕎麦を食べ、帰宅してあれこれと話しました。タバコだけは早くやめてくれないかなあ、とは思うものの、私の家で一泊してもらったのでした。

翌日は時間を見つけて東京駅とKitteにも少し行きましたが、こうして自分の父親とベタな観光スポットを回ってみると、もっと早くにこうすればよかったなあ、と思うのでした。父は飛行機嫌いではありますが、アメリカにも一回くらいは来てもらいたいものです。