鳥取行きの機内の中で

B737-800が小ぶりな機体を軽々と持ち上げ、鳥取行きの飛行機はふわっと空に飛び出した。ここ最近は慢性的な残業やら出張が続き、満足に寝てない気もするし、あまりプライベートの時間が取れず、なかなか腰を据えて日記を書く時間が取れていない。Twitterのように隙間時間を埋め思考をまとめるツールと違って、長い文章を書いて思考を書き残すのには少しまとまった時間が必要だ。メールを返信したり電話に追いかけられたりLINEやTwitterの返信に追われない飛行機の機上ではお気に入りの音楽を聴きながら、少し日記を書いたりするのが、わずかな楽しみでもある。

仕事で嫌なことがあった。上司に窘められ、きつい言葉をなげかけらた。
自分が殆ど悪いのだし、基本に忠実たれ、という最初のK先輩の言いつけをしっかり守れていなかったのがよくなかった。私だけが責められる話でもないとは思いつつも、自分にも甘えがあったのは事実だし、襟を正してこれからは信頼回復に努めるしかないとは思っている。ただ、一方で、こんなに基本が疎かになるほど忙殺されてしまってきて、これから再度しっかりと基本的なところに立ち返ることを考えた時に眩暈を感じたのも事実なのだ。あー、楽をしてきたと同時に、その環境でなんとかやりくりしてきてしまったのだな、と。正攻法は大変だ。何にしても。近道や楽することを覚えたらそれを多用してしまい、そこから仕事を構築してしまう。
自分がいつの間にかそんなズルをする人間になってしまっていたことに愕然としつつ、何とか持ち直すことを本格的に考えている。正確に言うと、ズルしていたわけではないにせよ、ある種邪道だった自分を正道、王道、に引き戻す作業は思いのほか、しんどい。昔は出来ていたことなのだから、やろうと思えばできるはずなのに、どうしてできないものか。いや、やれるはずだけど、面倒くさがってるだけなのだ。
肝心なことは"なあなあ"で済ませようとするマネジメントに怒りを感じるシーンもある中で一方では正論を、一方では"なあなあ"で攻めて来られる時ほど、イラっとすることはない。じゃあ、あれとかこれとかそれは一体どうなるんですか、と憤りを感じても今はそれについての話ではないから、とグッと堪える。

正攻法や正論は強い。最強だ。間違いない。筋を通し続ける人間はズルをする人間と対峙した時に決して負けない。ただ、勝負を避けられてしまっては、戦いにはならない。だから、ズルをする人間は戦いを本質的に避けようとする。概してその方がうまくいくこともある。逆に正論を言い続ける人間は煙たがられることも多い。逆に管理がしっかり出来てる人間は、誰からも責められることもない。筋は通しているからだ。

これまで、転職してきてから、仕事のことで頭が一杯になっている自分は嫌いじゃなかったが、それでも、完全なプライベートの時間でも頭をよぎってるのは正直健康な状態とは到底言い難い。帰宅途中に電話が鳴ったりして小言を言われたり、有給休暇の間もああだこうだ、と気を揉んだりする。正直言って不健康だ。これまでは愚痴は言わないでおこうと思っていたが、今回ばかりは溜め込んだらいけない気がしている。ワークライフバランスではなく、ライフワークバランスが取れるように修正したいと思ってもなかなかうまくいくものでもない。


琵琶湖をロードレーサーで二泊三日で200km1周したり11/3に湘南国際マラソンに出たり、沖縄行ったり、西伊豆に旅行に行ったり、今年の秋は結構プライベートは充実はしていた。ディズニーシーにも行ったりした。楽しかった。讃岐の友達の結婚式にも出席してきた。
何気にここだけ抜き出すとよく遊んでいるように思える。活発だねーとか、優雅な生活だねーとかfbを見てる友人には言われるが、24hのうち、6hくらいが睡眠、4hくらいが在宅で家事、10h超で職場、下手したら12hは仕事で拘束されてる気がする。人生の大半は仕事だとして、それだけに生きるのは如何なものかとも思う。
大好きな人と一緒にいたり、趣味の時間を充実させたり、美しい風景やハラハラドキドキする映画を見たり。そういうsomething to funを増やしていかないといけないなあ、と思わせられる。幸せになるために、というよりは幸せだなあ、と、のほほんと感じることができる瞬間をどれくらい増やすことが出来るのか、という話。

これまで肩肘張って、仕事での充実が人生の充実、だと言わんばかりにやってきたけど、それだけに生きてて何が楽しいのか、とも思うようになってきた。仕事で輝いてる人は確かに眩しい、美しい、カッコいい。自分もそうなりたい、ビシっとカッコつけて生きていきたい、そう思ってここまでやってきたけど、昨日うんうん思い悩んでて、ふと仕事でこんなに苦しめられて、息つく間もない生活では全く精彩を欠くと思ってしまった。
プライベートも仕事も程よいバランス取りながら、プライベートの充実が仕事の充実、引いては人生の充実だと信じて生きていきたいと。

あ、あとやっぱり、少し自分のキャリアは見つめ直す必要があるなあ、とも感じてる。限界を感じるというか、もっとハラハラドキドキしたいな、と言うか。5年前と同じで背伸びする時が来てるのかもなあ。