ヨセミテハーフドーム攻略

会社の一部のメンバーと家族とでヨセミテ国立公園へ行ってきた。
ヨセミテに行くのは2回目だったが、今回は大きく目的が異なり、
「ハーフドームを登ろう!」というのが大目的でした。

行程の間はずーっと晴天でした。

<大まかな日程は下記>
1日目
 早朝サンノゼ出発 サンノゼからヨセミテは約3時間程度。
 昼過ぎヨセミテ到着 うちの家族以外は滝を軽くトレッキング。
 夕方ホテル到着
 夕食→就寝

2日目
 朝3時にホテルを出発
 朝4時から登山開始
 10時半 ハーフドーム到着
 11時 登頂 昼食後下山開始
 16時 帰着
 18時 夕ご飯後順次就寝

3日目
 朝ホテルを出発
 夕方頃サンノゼ帰着

会社のメンバーは年齢も性別もバラバラ、20代、30代、50代の編成。
私の家族はハーフドームには流石に娘もいるので登りませんでした。
(妻はアワニ―ホテルとか行ってきてくれて、娘も楽しそうでした)

行程は楽しい面もありましたが、大変でした。登り6時間、下り5時間、休憩1時間。富士登山と同じかそれ以上のしんどさでした。
過去に2回、富士山に登ったことがありますが、その2回目からももう10年ほど時間が経っており、すっかり登山のコツとかも忘れてしまっていました。

今回は会社のチームビルディングイベントだったのですが、いくつか学びになることがありました。

  • チームのメンバーは必ずしも全員が全員、同じペースで登れるわけではない。

登る時が一番しんどいので、登る時は遅いメンバーに足取りを合わせないと全員の登頂は不可能。
遅いメンバーを先頭にすることでペースは落ちるが全員登頂の可能性は上がる。

  • 故障者が発生しかけたら早めに対処する。
  • 余裕があったり経験のある人は未経験者のために余分な装備を出来るだけ用意してあげると良い。
  • ところどころで小さい目標を設定することで、チームの士気を保つ。
  • 声をこまかくかける。関係ないところでも声をかけることで故障者や具合の悪い人の早期発見に繋がり、早期対処が可能になる。
  • 息を深く吸うようにアドバイスすることでメンバーの酸欠を防ぐ。
  • 不要に長い休憩は意味が無いので取らない。ひたすらゆっくりでも確実に前に進むことでしか登頂に近づかない。


多くは登山ならではの話なのですが、登山だけでなくチームで取り組む全てのことに援用できる話だと感じました。

山を歩けども歩けどもたどり着かないわけですが、富士山とも違って全行程でトイレは3か所くらいしかないし、お店なんてあるわけも無く、水を数リットル持って行かなくてはならず、荷物も結構重たく肩や腰に非常にきました。

行きは緩やかだったり激しかったりの上りが続いたり石段があったり。大きな滝を二つ通り過ぎるのですが、どちらも夜明け前でした。今度は日が出ている時に通りたいと思う一方で、それは難しいのかもしれないなあ、とも感じました。

滝を通り過ぎてしばらくすると夜明け前が近づいてきたのですが、非常に寒すぎて一緒に来ていた日本人のAさんが凍えてしまったり、肩がつってしまったりと散々。Iさんも登りは苦手とのことで、非常につらそうでした。薬を飲んだりしてしのいでいました。

夜明けとともにようやく気温が上がって来て普通に過ごせる気温になりましたが、夜明け前は5℃くらいまで温度が下がっていたようです。
行程中、同僚が作ってくれたおにぎりやサンドイッチを食べつつ、エネルギー補給をしていたことで殆どエネルギー切れはありませんでした。
10時半にはハーフドーム付近までたどり着けたのですが、ハーフドームに着く手前に難関がひしめいており、高い石段や滑りやすい岩を命綱無しで慎重に歩いて行った先にハーフドームが鎮座しています。

ハーフドームはヨセミテ国立公園の中でも非常に目立つポイントにあり、また標高も高く、2693mもあります。
花崗岩で出来たドームを半分に割ったような形状になっています。
年間では数千人が登頂に成功している。ここに来るまでに非常に時間がかかるため、大体の人が夜明け前にはスタートしなくてはならない。
また、森を抜けていくことになるため、帰りの時間に注意するよう言われている。

このハーフドームは非常に特徴的な形をしていますが、上まで120mに渡ってワイヤーが張ってあり、素人でも頭頂部まで登れるようになっています。
ただし、ハーフドームは事前に登録して登るシステムになっており、抽選になっているため、あらかじめインターネットでのApplyおよびpermitが必要です。
これを忘れて現地に向かうと、結構悲惨でハーフドームを目の前にして、レンジャーに追い返されてしまうことになります。
(裏技はあるようですが、原則成功はしないと思いますのでお勧めしません。)
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真下までくると、「まさかこの絶壁を上るの?」と言う印象を受けるのですが、結果的にひいひい言いながら命綱無しで登ることになりました。非常に怖いんですが、手を離せば滑落して死亡確実というシチュエーションの中で思い浮かんだのは妻や娘の顔でした。
これは登頂後にも変わらず、一番端っこまでは怖すぎていくことが出来ませんでした。
腰抜けだなあ、と思う一方で、腰抜けのままでもいいから命を大事にしなきゃ、とも思うのでした。

毎年滑落して亡くなる方もいるそうです。

登頂後はあまりまったりともせずに、いそいそと帰路についたのですが、帰路は帰路ですごい勢いで降りていきまして夕方にはホテルまで戻ることができました。
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宿泊していたホテルはAir BnBで借りたホテルでして、非常に快適かつ広く楽しかったです。