【米国株投資】ザイマージェン($ZY)を買ってみた

今年のIPO銘柄をIPO直後に買ってみました。ザイマージェン。

以前にNewsPicksでも記事で紹介されていたスタートアップ。

newspicks.com

もう、投資用資金が底をついていたので、38.8ドルで3株ほど買ってみましたが、直近でいきなり10ドル近く値上がりしました。うーん、もっと買っておくべきだったのか?よくわかりませんね。。。投資資金も少しずつ積み立てることに意味があるので、投資資金の積み増しも考えないとなあ。

 

ただ、個別銘柄の値動き見ていると、なんだかんだ言って安定感のあるAAPLをみんなが買うのはわかる気がする。。

ustockinformation.com

 

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全体安などが起こるときに割安の時にもう少し$ZYを拾ってみてもいいのかもなあ。
一時期、$50超えた。。。

うーん。ARKが株を買っているから、と言われているが。。。ARK銘柄をよく調べてみるのもいいのかもしれない。

www.nikkoam.com

 

ザイマージェンのS-1をまず読んでみて、一部をDeepLで翻訳してみました。大変長いですが、最初のほうだけ。

https://sec.report/Document/0001140361-21-009581/nt10018776x4_s1.htm

 

(抜粋)

私たちのバイオファクタリング・プラットフォームは、生体分子を発見し、それらの生体分子を産業規模で生産できる微生物をエンジニアリングします。

私たちのバイオファクタリング・プラットフォームは、生物学、化学、技術のユニークなエンド・ツー・エンドの融合であり、分子生物学、化学、材料科学、ラボオートメーションシステム、ソフトウェアアプリケーション、独自のデータベース、機械学習アルゴリズムなどの技術を統合したスタック上に構築されています。当社のバイオファクタリング・プラットフォームは以下のように設計されています。

  1. 既存の製品と比較して性能が向上した、工学的な特性を持つ新素材の基礎となる新規の生体分子を特定し、創出する。
  2. 目的の生体分子を生産する宿主微生物に遺伝子を挿入する。
  3. 時間とコストをかけて最適化することで、製品の機能を維持しつつ、経済的にスケールアップして生体分子を生産する微生物の最適化を含む生産プロセスを開発し、魅力的なマージンで商品化すること。

当社のバイオファクタリング・プラットフォームは、従来の化学では実現できなかったユニークな性能を持つ画期的な製品を提供するために設計されています。私たちの目標は、従来の化学会社や素材会社が提供できる製品の半分の時間と10分の1のコストで製品を発売することであり、これにより幅広い商業的用途に対応できるようになります。当社の最初の4製品である電子フィルムと虫除け製品の経験と期待に基づき、また、タイムラインの延長やコストの増加につながる可能性のある規制上の要件に従うと、当社製品の発売までのタイムラインとコストは約5年と5,000万ドルになると見積もっています。

第一段階は約1〜2年通常のコストは約500万ドル、

第二段階は約1年、通常のコストは約500万ドル、

第三段階は約3年、通常のコストは約4,000万ドルで達成できると考えています。

当社のバイオファクタリング・プラットフォームは、各ステップを並行して完了させることも、独立して完了させることも可能な柔軟性を持っています。このプラットフォームは、当社製品の発売を加速し、顧客のニーズをより迅速に満たし、当社のパイプライン投資のリターンを増加させるように設計されています。

さらに、当社の機械学習ワークフローは、製品設計とゲノム最適化の各ラウンドでより多くの独自データが生成されるため、時間の経過とともに改善され、当社のアルゴリズムはさらに強化され、独自データの堀を深くすることができます。さらにデータを収集し、規制当局の承認を得て新製品を市場に投入する経験を重ねることで、より早く、より安く製品を発売したいと考えています。このような経済性により、当社は大量の製品を発売することが可能になります。

一方、伝統的な化学・素材企業は、最終市場の需要を満たす新素材を生み出すのに苦労してきました。

ケブラー(アラミド)の例は、既存の化学会社や材料会社が新しいポリマー材料を開発し、商業化するために費やす典型的な時間とコストを比較する上で有用なポイントになると考えています。

特にケブラーを選んだ理由は、

(a)新規ポリマーであること、

(b)当社の光学フィルムのように複数の分野に応用できること、

(c)文書化されていること、です。

デュポン社は、1960年代後半から1970年代前半にかけて、10年以上の歳月と約5億ドル(インフレ調整前)をかけてケブラーを開発しました(デラウェア・オンライン調べ)。

ケブラーは1970年代に商品化されたが、IHS Markit Report on Specialty Chemicals Update Programによると、1980年頃から商業的に発売された主要なポリマーはわずか6種類であるため、これは比較的最近の例と言えるでしょう。

現在使用されている素材の多くは、何十年も前に発明されたものです。

セロハンは1920年代、ナイロンは1930年代、テフロンは1960年代、ケブラーは1970年代に発明されました。ビジネス-業界の背景-化学・素材産業は、十分な効率性、スピード、成功を伴った革新を行っていない」を参照。私たちは市場に出ている製品が1つあり、他の製品も開発中です。

 

(抜粋)

当社は、2020年12月に最初の製品であるHyalineを発売し、顧客との通常6~18ヶ月の製品認定プロセスを開始しました。

製品販売による収益はまだ発生していません(サンプル販売に関連する名目上の収益を除く)。現在、複数のお客様とHyalineの適格性確認プロセスを進めており、その中にはサンプリングや商業条件に関する話し合いも含まれています。

現在のターゲット市場ではこの適格性確認プロセスが重要であることから、製品を発売した後も、顧客がその製品の適格性確認プロセスのすべての側面を完了し、当社製品の発注を決定した後にのみ収益を得ることになると予想しています

Hyalineは、電子機器メーカーが個人用機器のディスプレイ用タッチセンサーなどに使用するために設計された光学フィルムのフランチャイズの最初の製品です。

当社の顧客は、Hyalineを使用することで、堅牢な折り畳み式タッチスクリーンや高密度のフレキシブルプリント回路を作ることができます。

 Hyalineは、当社のバイオファクタリング・プラットフォームで同定された生体分子を使用しています。製品の発売を早め、顧客の需要に応えるために、当社は第三者から調達した非発酵生産の生体分子を用いてHyalineを発売しました。現在、発酵によって分子を生産する能力が実証されている微生物を用いて、Hyalineのために発酵生産された分子に変換しているところです。現在、商業規模のプロセスを開発しており、商業生産に十分な量とコストで発酵による分子の生産が可能になります。このプロセスは2022年に完了する予定です。

 その他にも、エレクトロニクス分野で3つ、コンシューマーケア分野で4つ、農業分野で3つの製品を開発しています。

 2022年に発売を予定しているZYM0107は、当社のフィルムフランチャイズの次の製品で、Hyalineと同様に高性能な光学フィルムです。

 2023年に発売を予定しているZYM0101は、フレキシブルエレクトロニクス用の画期的なフィルムで、折り畳み式や巻き取り式の携帯電話やパーソナルデバイスの構築、5Gのデータ速度を実現するためのアンテナの絶縁材透明モニターのコーティングなどに使用することを想定しています。

 当社の消費者向け製品には、天然由来の非DEET昆虫忌避剤であるZYM0201があります。また、合成窒素肥料に代わる微生物肥料の開発に向けた提携を計画しています。私たちは、バイオファクタリング・プラットフォームがイノベーションと収益創出の原動力となることを期待しており、同じ分野または隣接する分野で新製品の開発を目指しています。また、将来の成長のために新しい市場の開拓も進めています。

 

当社の収益モデル

 当社の収益のほとんどは、バイオファクタリング・プラットフォームの開発、試験、検証を目的とした研究開発サービス契約および協業契約から得られていますが、協業相手のみが利用できるカスタムサービスを提供しています。今後数年間は、製品売上の拡大と追加製品の商業化にともない、研究開発・提携契約からの収益が当社の収益全体に占める割合は小さくなると予想しています。しかし、短期的には、研究開発サービス契約や共同研究からの収益は継続すると予想しており、実際には、新たな産業分野への参入を目指して、新規または既存のパートナーと追加の契約を締結する可能性があります。

 当社のバイオファクタリング・プラットフォームは、「ビジネス-プラットフォーム」で詳しく説明している3つの主要な機能を実現します。これらの能力は以下のとおりです。製品の設計、微生物の作成、生産規模の拡大。製品を可能な限り早く市場に投入するという当社の全体的な戦略の一環として、各ステップは並行して、または独立して完了することができます。また、製品の開発や発売に使用する技術をインライセンスすることもあり、後述の発売加速戦略を用いて、非発酵ベースの製品を発売することもあります。これは、当社の研究開発サービス契約やコラボレーション契約の基礎となるもので、当社は通常、これら3つの主要機能のうちの1つを独立したサービスとして提供するためにパートナーと提携しています。例えば、多国籍の食品加工会社とのパートナーシップでは、動物飼料成分の加工に使用される商業生産用微生物の改良に焦点を当て、「スケール・プロダクション」能力の提供に特化しました。国防高等研究計画局(DARPA)との契約では、広範囲の生体分子を対象とした当社の「微生物作成」能力と、当社の「製品設計」能力の早期展開を活用しました。他の研究開発機関とのパートナーシップも同様です。

 

(中略)

 

発酵生産された製品、あるいは発酵生産された成分や原料を使用した製品を発売することは、製造コストを削減し、お客様にとって望ましい製品をより早く発売するための戦略の重要な要素です。場合によっては、設計段階で特定した分子を用いて、最初に非発酵法で製造した製品を発売することもあります。当社はこの戦略を「上市加速」と呼んでおり、上市加速が可能な場合には、12〜24ヵ月早く上市できると期待しています。発売の加速化は、通常、発酵法による生産よりも高い生産コストをもたらします。このコストは、製品の発売が早くなるというメリットに比べて大きいため、一時的に吸収します。当社の戦略は、発酵法で製造されていない生体分子や成分を、12〜24ヵ月以内に発酵法で製造されたものに置き換えることができると考えられる場合にのみ、Launch Accelerationを使用することです。当社の最初の製品であるHyalineは、第三者から調達した非発酵生産の生体分子を用いて発売し、2022年に発酵生産の分子に変換するためのプロセスを実行中です。当社の最初の3つの戦略的垂直分野において、Launch Accelerationは、エレクトロニクスのパイプラインでは頻繁に使用されますが、コンシューマーケアや農業ではほとんど使用されないと予想しています。その他の分野に進出する際には、Launch Accelerationのメリットをケースバイケースで評価していきます。

 

 

もう少しまじめに考察すると、住友化学が提携している点に着目したい。

www.sumitomo-chem.co.jp

住友化学自体が日本の化学メーカーの中ではトップ3に入るような売上2兆円を超える大手企業なのだが、今回、住友化学が提携したザイマージェンが最初に掲げているプロダクトがHyalineというプロダクト。

住友化学の提携とHyalineは関係しているとみるのが普通だろう。

NewsPicksの記事でもその点は言及されている。そして、ザイマージェンがS-1で言及しているいくつかの材料もまた、住友化学が客というか、拡大を考えている分野になるのだろうな、と感じます。

以下一部、NewsPicksの記事から抜粋。

住友化学では、その微生物が作り出すフィルム「ヒアリン(HYALINE)」の量産準備をしており、販売先を探しているという。
「化学材料の世界では、顧客からのニーズはどんどん素早く移り変わるようになっている。微生物を使ったものづくりは、それに応えられるのかもしれない」(岡本氏)。
ザイマージェンのラボでは、これ以外にも住友化学がアイディアを持ち込んだ、微生物が作る接着剤、傷の付かないコーティング材料など、合計3つの新素材が生まれる予定だという。

Hyalineが成功するかどうかは住友化学がちゃんと、客を見つけられるか、という話になってきます。

住友化学は農薬事業も手掛けているため、住友化学の既存顧客・商流に売り込むことができるか、という話になるのでしょう。

・ザイマージェンが最初期に早期に成功するかどうかはそういう意味ではコラボ相手の住友化学の動きを見る必要があるということですね。さて、住友化学電子材料部門が何をしているか、という話になります。

・統合レポートにも記載がありますが、住友化学はタッチセンサーパネルを自社で作っています。

・また、将来的には偏光板とタッチセンサーパネルを一体化するような提案も掲げており、フォルダブル(折りたたみ)スマホ時代に必要となる、フレキシブルOLED用の偏光板では世界首位の状況です。(偏光板市場自体、住友化学日東電工、LG化学の寡占業界です)また、フォルダブルスマホ市場自体の伸びにも期待しているようです。(昨年のIRレポートより)https://www.sumitomo-chem.co.jp/ir/event/files/docs/201130_4.pdf

 

・統合部材に関しては下記記事も参照。

newswitch.jp

・また、透明なセンサーフィルムをスマホディスプレイの前面に取り付ける5Gアンテナにも転用することを考えているようです。これはDNPなども同じように取り組んでいる技術ですね。ここにもザイマージェンの技術を活用できそうです。

 

住友化学は早くから韓国で子会社の東友化学を通じて、三星ディスプレイに深く入り込み、様々な三星電子との協業案件を掴んできました。4000億円くらいある電子材料部門の売上の半分の2000億円くらいは韓国での売上になり、東友の売上が占めています。

 

住友化学 x ザイマージェンの取り組みがどのようにスマホなどで進展していくかは三星のGalaxyや中国スマホの動向を見ているとつかめてくるかもしれません。