【米国株投資】ザイマージェン($ZY)に焼かれてみた【何年塩漬け?】

kikidiary.hatenablog.com

 

今年4月、IPO後に初めて買ってみたザイマージェン。

3株だけでしたが、ARKがそののちに買っていたことで一時期は50ドルくらいまでつけるも、その後はだらだらした値動きでした。

で、今朝起きたら-75%といきなり目を引くマイナス。なんだこれ、と思って記事を調べてみると、どうも穏やかではない。

  • 上場時31ドル
  • 最高値52ドル
  • 最安値7.85ドル
  • 現在、8ドル近辺

保有株は3株のみですが、38ドルだった株が8ドルくらいになっているのでマイナス90ドル。。。なかなかのインパクトです。少ない資金で回している個別株式のロスとしてはなかなかに痛い。投資パフォーマンスも数値上、悪くなる。

 

これ、大量に株持っている人は泣いているやろ。

以下関連記事。

www.cnbc.com

 

簡単に要約すると

  • 予定していた2021年後半に売上は上がらない
  • 2022年も売上が上がらない
  • ほそぼそとした研究開発サービス契約による収入のみ
  • CEOは解任。新CEOとしてJay Flatly就任
  • 時価総額は48億ドルが火曜のExtended Hourで10億ドル→今日さらに8億ドルに下落(これでもまだ、結構、時価総額あるなあという感じがありますが)
  • 課題は2020年発売のHyalineで顧客の製造プロセスで技術的な課題に遭遇
  • また、Hyalineが採用される予定だと思われていた折りたたみ式ディスプレイの市場の将来性にも疑問符。市場の焦点や成長性も見直しが必要なフェーズに。
  • 現有キャッシュ及び同等物が5.88億ドルで営業費用が四半期で1億ドル・・・。このままのバーンレートだと1年半分しかキャッシュが無いってことやん。リストラ不可避。

(以下記事抜粋)

Zymergen社の現在の課題は、同社が2020年に発売した「Hyaline」という製品です。これは、生体分子を利用した光学フィルムで、電子機器メーカーがタッチスクリーンなどに利用できるものです。Zymergen社の目標は、環境的に持続可能な製品を、従来の化学会社が製造するものよりも大幅に低いコストで提供することです。

Zymergen社はこれまで、研究開発サービス契約による収入はあるものの、製品販売による収入はほとんどありませんでした。IPOの目論見書では、Zymergen社はHyalineから2021年後半にHyalineからの収益を開始すると予想していた。

その目標は大幅に後退した。Zymergen社は火曜日、第4四半期に複数の潜在顧客が "Hyalineを製造プロセスに導入する際に技術的な問題に遭遇した "と述べた。Zymergen社は、Hyalineには "本質的な技術的問題 "はないとしながらも、"同社の商業的立ち上げに遅れが生じている "と述べています。

Zymergen社は、IPOで4億6,500万ドル以上を調達し、現在5億8,800万ドルの現金および同等物を保有していると述べています。第2四半期については、総売上高が500万ドルから600万ドルであるのに対し、営業費用は1億ドルから1億500万ドルと予想しています。

 で、米国株式の場合、ここまで株価が下がると、株主代表訴訟の話が出てきます。

finance.yahoo.com

 

50000ドル以上ロスった人限定なので、人数は限られるかもしれません。

 

で、新CEOのJay Flatleyさんはどういう人かというと、遺伝子関係のIlluminaのCEOだった人なんですね。Illumina自体は98年創業で現在は大きな利益をたたき出しています。(売上33億ドルで利益8億ドルなので大したものです)

  • Flatley氏は1999年から2016年までイルミナをCEOとして率い、
  • 2016年から2019年までエグゼクティブチェアを務めた。
  • イルミナによるSolexaの買収と、イルミナの次世代シーケンシングシステムの基盤技術を主導。
  • Illumina自体が相当買収を経験していますね。
  • 手腕は確かなのだと思われますが、常任CEOを探し始めているということで緊急の代打ということなんでしょうね。

www.genomeweb.com

 

 

で、折りたたみスマホタブレットについて。

この市場は確かにまだまだ垂直立ち上げとは言えません。

 

<リスク要因>

・折りたたみディスプレイで大きなシェアを握るのは韓国のSamsung Displayであり、その後ろをBOEやTianma、Visionoxなどの中国OLEDパネルメーカーが背中を追いかける形です。Samsung ElectronicsおよびSamsung Displayがほぼ最初に商業ベースで折りたたみディスプレイと搭載デバイスを市場に展開したこともあり、フィルム関係のサプライチェーンは韓国企業で固められています。これらの韓国サプライチェーンに割って入るためには、セットメーカーなどを経由して部材指定してもらったり、タッチパネルモジュールメーカーやフィルム基材上にセンサーを形成するフィルムセンサーを作るNisshaやTPK、Bielのようなメーカーや、ITOやAgNW、Cuなどを塗工する日東電工帝人、TPK、住友化学DNPなどから材料を評価してもらい採用に繋げる必要があります。

 

<リスク要因>

・また、以前も指摘しましたが、タッチパネル用のフィルムセンサーの基材フィルムといえば、日本ゼオンが得意とするCOPフィルムやその他メーカーのPETやPENフィルムと相場が決まっています。こうした市場実績が確かなフィルムは光学透明性に優れ、加工特性も良く、コストもこなれています。基本的にはこうした実績のある材料と比較され、優位性があると認められる必要があります。つまり、最低限、光学透明性や加工特性、耐久性などについてはこれら既存の15年以上の実績のあるフィルムセンサー基材の素材特性と同等、ないしは乗り越える必要があり、これはなかなかにタフな要求です。ちなみにCOPフィルム基材は10万回の折り曲げ試験にもパスしています。こうした技術的なチャレンジがいくつもあります。折りたたみであれば、ITOではなく、AgNW(銀ナノ)などの配線層の形成もうまくできなければなりません。(ITOは折り曲げると割れるため)

で、何が大変かと言えば、こうした難しいフィルム基材を簡単に組成開発することができる、というのが、ザイマージェンの触れ込みだったわけですが、やはり、実際の素材の作り込みはそんなに簡単なわけないってところでしょう。違う材料、作り方で、現存する材料と材料の組成で競合するってのは口で言うほど簡単ではない。

 

<リスク要因>

・折りたたみディスプレイで注目されるのはタッチ機能はディスプレイ基板上のTFT上に作りこめるのか、という点でしょうか。いわゆるオンセルタッチパネルと呼ばれるものですが、オンセルタッチパネルが使えるとなると、外付けタッチパネルは不要となり、よって、タッチパネル用のフィルム基材も不要となります。これはフィルム基材メーカーにとっては等しく大きなリスクとなります。日本ゼオンなどは折りたたみではなく、普通のタッチパネルが主戦場と思いますので、折りたたみに採用されなくても今のところは痛くも痒くもないですが、Hyalineがもし、折りたたみのみにフォーカスしていれば、それしか市場が無いザイマージェンには採用の遅れは致命傷ということになります。バーンレートからしてもそれは間違いないところでしょう。

 

<リスク要因>

・また、以前取り上げた通り、ザイマージェンとお付き合いしている住友化学はザイマージェンの材料とは別に透明のPIフィルムを折りたたみディスプレイのカバーガラスの代わりに使うことを検討しています。で、このPIフィルム上にタッチ機能を作りこむ「ウィンドウタッチ」という材料も以前から市場に提案しています。つまり、ウィンドウタッチがうまくいけば、住友化学のタッチパネル基材にHyalineは必要無いと言う事になります。ザイマージェンとも付き合いつつも、自社で別の技術を立ち上げるあたり、なかなかに総花的ですが、これこそ、総合化学メーカー的な一手だともいえるでしょう。

 

<リスク要因>

・2021年後半からも2022年からも売上を上げられなければ、リストラして規模縮小してしのいで製品の採用やほかの新製品の販売開始を待つしか道がなさそうです。ザイマージェンは800人以上社員がいましたが、売上が出ていない企業としてはメーカーでも人員規模が大きすぎるとは思っていました。ベイエリアで事業を進めており、開発の自動化をうたっているわりに、従業員が多い。1人年間1500万円から2000万円くらいは支払わないとベイエリアではエンジニアは雇えないでしょうから、800人もいると、年間で人件費だけで単純計算で120億円もかかってしまいます。売上は第2四半期でも5億円くらいしかないのに。(焼石に水)売上が上がるのが遅れるということはすなわち、現金が少ないため、死活問題ということになります。株主代表訴訟が起こるのもやむなしという気もしてきます。まだ、上場すべきではなかった?