サンノゼ駐在員、オミクロン株水際対策の最中、本帰国する

 シリコンバレーと呼ばれるサンノゼサンタクララを周辺にこの7年の間、駐在員として活動してきましたが、今回1月付で本帰国することと相成りました。

 

 2021年のまとめ記事は別途更新することにしますが、今回はコロナ禍で激化するオミクロン株の水際対策で一部では話題沸騰の成田空港の空港検疫に関わるところを書いていきたいと思います。

 

1月新年明けての私たちの活動は下記のようになっています。

 

1月1日 とりあえず、片付け 紅白歌合戦見るくらいの余裕はあった。

 

1月2日 引っ越し前の片付け大詰め ずーっと片付けするも全く終わらず、夜中の1時頃にソファで力尽きる

 

1月3日 引っ越し1日目 引っ越し屋さんは1人の日本人と2人のメキシコ人で引っ越し作業。1日目は結局1時半頃にメキシコ人たちが引き上げ、3時頃に日本人も引き上げ。その後もあれこれ片付け。ベッドがもう持っていかれてしまったので近所のホテルに宿泊することにしました。猫は1匹でお留守番。そういえば、送別の品ももらった。MarshallのBlutoothスピーカー。航空便に乗せたのでまたレビュー記事は2月にでも書きたい。

 

1月4日 引っ越し2日目 朝9時半までにPCRテストを受けた。詳細は下記記事参照。その後、引っ越し作業のために家に戻り、ひたすら引っ越し作業。意外にも昼1時半くらいまでには全ての作業が終了。

kikidiary.hatenablog.com

 

1月5日 予備日だが、家の鍵を返したり、家の掃除をしたり、昼2時に車の鍵を会社に返したりとやることが結構あった。15万キロ一緒に走った戦友とも言えるカンパニーカー、会社のキー、コーポレートカード、借りてた3bed roomの部屋の鍵も返して何も無くなってみると、自分が会社のサポートによってブーストされた駐在員だったのだ、という事実を突きつけられた。軽くなったズボンのポケットにはもうairpodsiPhoneとカード類しか残ってない。

夕方に友人夫婦が見送りに少し来てくれた。子供も同い年でよく遊んでいたので最後は公園で。本当はご飯もご一緒したかったが、残念ながら、感染対策徹底で断念。難しい時代だなあ、とつくづく感じる。切ない。

 

1月6日 朝7時半にIshiリムジンさんに迎えにホテルに来てもらった。いや、多分コロナがなければ、こういうリムジンを使うという選択肢はなかなか出てこないのだとは思うが、(同僚にも頼めるしね)今はおそらく感染対策を考えればこういうソリューションも全然仕方がないのかなあとも思う。San Jose空港から成田空港への直行便もコロナ禍が始まって以来、停止して久しい。イシリムジンさん、素敵なサービスでした。大満足でした。費用はかかるけど、安心だし、直前までSMSで連絡が取り合えるし丁寧で素晴らしい。本帰国でSFOから帰るけど、スーツケースもたくさんあって移動手段に困っている場合は会社と相談してこういうところを利用するのが良いと思う。私たちも猫のキャリー含めて、7−8個荷物があって、90Lサイズのスーツケースだけでも4つもあったのだが、大きなバスで来てくれたのでなんとかなった。

www.ishilimo.com

 

 空港で無事チェックインが済んでスーツケースや猫を預けた後は手荷物検査を終えてラウンジでゆっくり。白ワインを3杯くらいは飲んだ気がする。ご飯は全てプリパッケージされたものだけになっていた。

飛行機は折からの成田の雪で使用機が遅れ、1時間30分ほど出発が遅れた。

 たまたま同じ便になった同僚ともラウンジで出会ったので、会話。隔離はどうなるか、という話題にもなった。 

 

自社では駐在員は赴任の時と帰任の時だけは会社費用でビジネスクラスに乗ることができる。おそらくは荷物の重量制限や個数制限の都合、ビジネスクラスを可としているのだとは思うのだが、やはりせっかくのビジネスクラスなので堪能したいのが人情。ラウンジを使えたのもビジネスクラスだから。

 今回搭乗したのはB777の300ER で新たに設定されたThe Roomと呼ばれるコンセプトのビジネスクラスでした。17番18番あたりに座りました。真ん中の座席だと、パーテーションを下げることができ、家族4人で真ん中席に座ることができた。キャビンアテンダントが真ん中席の人に席を変わってもらうよう交渉してくれて助かった。流石に2歳の子供や5歳の子供を単独で座らせることは難しかった。2019年以降、サービス開始されたそう。隅健吾がデザインとか。ドア付きシートでシートもフルフラットにできるし、モニターも24インチ4Kモニターと最新設備。ポート関連も充実していて充電も自由自在だった。食事も絶品でした。ワインも美味しかった。飲みすぎないようにセーブしました。

www.ana.co.jp

洋食を食べて、到着前には和食を食べた。

映画は007 No time to die、マスカレードホテル、ヴェノムの続編を鑑賞。

飛行機に乗ると、誓約書などの書類を渡されたのでこれに必要な内容を記載。4人分あったので大変だった。が、この後、また似たような内容を到着後にも別の書類にも記載しなければならない。

  • 出発の72時間前までのPCR検査結果での陰性証明書(日本の厚労省指定の書式)
  • 誓約書や健康カードへの記入(これは機内で配られます)
  • アプリのDLと設定(Cocoaと MySOS)設定が結構面倒です。が、この設定の解説は結構しっかりしてあって、さらに空港でも説明や設定も代わりにやってくれる人もいます。ただ、さっさと関門を突破していくのであれば、事前に設定しておくのが望ましそうです。が、ホテルへ行く時間はそこまで変わらないかもしれませんが。
  • 質問票の提出(これはWebで回答してQRコードの画面コピーの写真を撮っておくだけで良い)
  • ワクチン接種証明のコピーの提出→今は不要とのこと。(以前は隔離期間短縮措置などがあったようですが、オミクロン株の水際対策強化で停止されているとのこと)

 

1月7日 ようやく飛行機が到着したのは夕方4時半頃。ただ、降機が始まったのは乗り継ぎ便の人が大半。今ではSFO→NRTを使って日本へ入国してくる人はほとんどいないようで、B777は見た目満席だったのがほとんどの人が国際線乗り継ぎで降りて行きました。で、残った十数人が降機し始めたのは夕方5時頃。ここからが噂に名高いオミクロン株の水際対策プロセスです。

 

大まかには成田空港の入国プロセスは下記のブログが写真付きで詳しい。

livejapan.com

 

 とにかく書類を何回もいろんなパターンでパスポートと一緒に見せるので、プラスチックの書類を入れられる透明のクリアファイルがたくさんあると良い。6枚くらいあると非常にスムーズに書類を出し入れできるだろう。

 いろんな関門で書類を見せてとか座席を確認させて、とか何回も言われるのだが、その都度必要になる書類が変わり、いろんなところで書類が少しずつ、減ったりします。座席は結構重要なファクターで水際対策強化の一環で近くの席でオミクロン株陽性者が出ると強制隔離14日間のの対象になる可能性が出てくるので、座席でどこに座ったかは重要。私たちはCAさんの機転で座席を変わっていただけに最初それをどう伝えるかに苦慮しました。

 

 最初の検疫官が居る関門で、「子供がいるので成田近辺で宿泊できると助かる」ということを粛々と伝えました。また、ペットがいて引き取ってゲートで妻の両親に渡す話もしました。妻の両親は4時くらいから空港で待ってくれました。(結果的に4時間ほど待たせることになってしまいましたが)

 

 アプリの説明を受けているときに中国系の方だったのが印象的でした。

調べると時給1250円で募集がかかっていました。

【日数】土日含む週5日間※希望休月3日間OK!
【シフト】
①5:30~15:00
②14:30~24:00
共に実働8時間、休憩1時間

始発・終電が間に合わない場合、
弊社が手配したホテル(空港近辺)にご宿泊いただきます。
宿泊代は弊社で負担させていただきます。
連泊の場合、同じ部屋をご利用いただけます。

※夏季休暇の間だけ等、短期希望での応募は不可。

給与

時給 1,250円 +交通費全額+コロナ手当2000円支給

 他にも案内してくださる方々のバイトも探すと出てきました。まだまだ募集している様子。

このご時世だと時給1200円とか1300円は高い方なのだろうか。成田周辺だと割の良いバイトということになるのか?1250円x8+2000円だと12000円なので割と割の良いバイトになるんだろうか。週5日だと月収24万円ということになるので悪くはないのかもしれないが、フルタイムとしては普通なんだろうか。年収300万円には届かない計算になる。


【勤務時間】
05:30~13:00 (実働6時間30分、1時間休憩)
11:00~17:00
15:00~24:00
※公共交通機関で出退勤できない場合は
タクシー配車をいたします。(エリア条件あり)

【休日】
勤務日数は週3~5日程度(応相談)

【給与】
時給1,300円〜
※時間外勤務手当・深夜勤務手当
通勤手当(月額30,000円までの実費支給)

 

 

 このプロセスの中で検査結果待ち及びホテル配分待ちまでが時間がかかります。

夕方6時くらいには検査結果を待つプロセスまで到達できました。このあたりでさらにホテルに関連した書類の記入を求められます。書く内容はまたもや似たような内容。これは隔離がある国や地域から入国した人が対象と思われる。

 待つ場所ではパイプ椅子に番号が振られてズラーっと並んでおり、そこに座ってひたすら呼ばれるのを待ちます。子供はぐったりしていたり、わーわー騒いでいたりしてひたすら静かな空間に我が家の子供の声が響いて他の方には申し訳なかったり。。。この殺伐とした感じが日本に帰ってきた感覚をつくづく思い出させてくれます。つくづく、子育てには優しくない環境だ。

 検査結果に関しては結局陰性で夜7時半くらいにようやく呼ばれて検査結果の書いてあるピンクの紙を受け取り、入国審査プロセスで入国スタンプをもらい、その後動物検疫所により猫を受け取り、(これは事前に聞いていたのでは1時間くらいかかると言っていたのが10分程度で済みました)税関で別送品申告書を提出し、入国ゲートを通過したのが夜8時。

 そこで妻の両親に猫を渡して、(検疫官には既に申告済み)、バスで指定隔離の宿泊先へ向かうために待ちました。

 夜9時20分頃にバスが来てホテル前には10分ほどで着いたものの、チェックインプロセスはなかなか始まらずバスの中で1時間ほど待たされ、結局チェックインが始まったのは夜10時10分とかその辺り。そこからチェックインだが、もはや某横イン成田空港のフロントは野戦病院みたいになっていて、震災直後の山形のホテルを思い出させました。(ホワイトボードが張り出されていたり、マスク姿のスタッフが大量に常駐していたりする雰囲気が)おそらくはこのスタッフ陣も某横インのスタッフではないのだろうな。人海戦術もいいところだった。

 あまりの疲労でチェックイン時の説明を聞きながら寝落ちしそうになりましたし、なんなら長女は椅子の上で寝てしまいました。いや、本当に大変で小さな子供やお年寄りには堪えるプロセス、と思いました。

 部屋に入って落ち着いたのは夜10時半。そして、そこから温度計で体温測定してチャットで報告して、全員分終わったのが夜11時くらい。支給された晩御飯を食べて、すぐにベッドで寝ました。着陸からホテルへのチェックインまで合計して5時間から6時間くらい掛かった計算になります。一緒の飛行機に乗っていた同僚は一人で移動していたため、品プリに移送され、時間的には24時半とかそれくらいにチェックインしたそう。いやはや、、、

 

 全体として「紙とペン最強!」みたいなプロセスになっており、赤ペン先生や鉛筆が大活躍しているのですが、紙自体は常に自分で持っているので、赤ペンで自分で書き込みするようなやつも出てきそうな気がしないでもなかったです。この紙のプロセスは日本語読めない人には苦痛なプロセスだし、不安になることこの上ないプロセスだろう。

 また、子供や老人にも苦痛や不安を強いる非常にストレスの高い待ち時間の多いプロセスにもなっており、若くて健康な男性や女性でも疲労困憊になるような流れであることは間違いない。検疫法にも絡む話なので、隔離されること自体は致し方がない面もあるが、ワクチンのブースター接種の有無も聞かれず、陰性証明もその後の唾液検査の結果も一顧だにせず、州や地域でひとくくりに3日だの6日だの10日だの隔離を強いるそのゴールポストが恣意的にいくらでも動かせてしまう検疫体制がどれだけ有効なのか?というのは甚だ、感じ入るところである。アメリカの様子などを見ていればブースター接種の有効性はほぼ示されており、ブースター接種しないと感染は避けられないことはほぼ見えている。

 隔離施設がなくなってくると、濃厚接触者の定義が機体全体から前後の人になったり。。。乗り継ぎ便の人たちの病状は一切問われなかったり。富裕層がプライベートジェットでくれば隔離も関係ないとか。また、空港で隔離先へ移動する際に外部との接触が一定実質的に可能である点も隔離措置としての妥当性を微妙に感じるところです。これでは単に政治行政のアリバイづくりではないかと。変な話、一部の国民は海外から帰ってくる日本人が日本で久しぶりに苦悩するのを見てみたいのかもしれません。

 コロナウイルスが悪いと言えばそれまでだが、世界でも第3位のGDPを誇る先進国のはずの日本で行われているプロセスとしてはこの紙とペンはなんともお粗末ではあるまいか。いや、この紙とペンで回せてしまうのがある意味では一定の教育水準があるからこそ可能だとも言えなくもないが。。。アメリカだと絶対に回せないプロセスだろう。それは間違いない。

 ただ、一部は質問票がWeb形式だったり、様々なデータをアプリで登録したり、残りはいきなり全部紙と技術的な一貫性がないことが問題である。

 とはいえ、現場で動いている人たちは本当に皆さん自分たちの「業務」をそれぞれこなされており、司法行政の不具合や不備を現場は一身に引き受けて対応しているように思われます。いつの時代も日本は現場がしっかりと支えすぎであるという気もしている。