英語が話せる場合、出来ない場合。(日系メーカー営業編)


転職して5年目なんですけど、下記の記事を読んでて、自分の場合、というのを書いておきたくて書き残します。

英語が出来なくてもなんとかなる!? 外資系IT企業編 | みんなの英語ひろば http://eigohiroba.jp/t/12

よく聞かれる転職した理由とも通ずるのですが、私は前の職場では100%国内需要に対応するだけの製品事業の営業でした。私が初めて就職した2006年はちょうど、折からの好景気で輸出系企業は好景気を謳歌していました。それとは対象的に度重なる原油高に喘ぐ自社…まだ、右も左も分からないくせに一丁前に本だけは色々読み漁ったり、後輩や同期の話を聴いてると、どうやら自分は全く何も考えずに就職したのだなあ、と言うことが薄々わかってきました。毎月の手取り給料は似通っててもボーナスが桁違い、倍半分ってのを薄々と気付いた時にはショックでした。えー、こんなに違うのー!?と。大学の時には曲がりなりにも組織を率いるような立場にいたのに、と自尊心が激しく傷つきました。ってか、そんなんで、傷付くなんて安っぽい自尊心だな、とも思いますし、自分が単に世間知らずだったのだな、と今なら思います。

で、会社にある日、商社OBの人が再就職して貿易実務講座をしてくれる、と言うことで私も出席しました。当時はまだ就職したばかりで、内勤業務ばかりしてる頃でした。そこで、貿易実務の実態とか聴いてるうちに、これ、もっと詳しく勉強したい!って、強く思ったのですよね。輸出系の仕事に憧れ始めたのはたぶん、これがきっかけだと思います。遅い!笑。そもそも、就職活動の時もB to Cは無理だからB to B、素材系の営業がいいなー、くらいの感覚で就職したので、顧客や市場のことまで深くは考えていませんでした。

ただ、これではダメだ!と思い直して、会社の前の寮に住んでたこともあり、アフター5に貿易実務の勉強をし始めました。そして、貿易実務検定を受けたり、それを社内でアピールしたりして、こういうことがやってみたい!とそれとなく上司に伝えるようになりました。ただ、残念ながら、私が在籍していた名古屋支店ではそういう知識が活かせる業務がそもそもない、ということもわかっていました。そこから失意のうちに、外勤営業になり、ようやく、顧客を担当し始めました。お客様は基本名古屋周辺で、車でウロウロする日々。いろんなところに先輩と回りました。そんな中でも、よく言われたのは「なんで、うちみたいな会社に入ったの?(ネガティブ風に…」という言葉でした。いや、あのね、当時の先輩たちには育ててもらった恩があるし、今でも感謝していますし、これからも仲良くしていきたいのですが、実際そう感じていても入社したての若者に言ってはいけないNGワードNo.1ですよね、これ。
当時は原油高が材料高にダイレクトに響き、毎日値上げ値上げの日々。お客様に嫌な顔されながら値上げをしては、注文が見る見る減って行くし、ボーナスもどんどん減っていきました。最初の冬にもらったボーナスを越えることは一度もありませんでした。

このままではいけないなあ、と考えていましたが、貿易の勉強してもそれは社内では活かせないし、もっと外に打って出なければジリ貧なのに、このままだとそれは出来そうにない!と悩んでいた時に転職活動することを決断しました。
転職した時の経緯は他の記事に詳しくは書いてあります。

08年の転職日記まとめ1
http://d.hatena.ne.jp/kikidiary/touch/20120319/1332179447

08年の転職日記まとめ2
http://d.hatena.ne.jp/kikidiary/touch/20120319/1332179946

そんな私が転職活動前にレジュメを見ていてハッと気付いたことが、「やりたい仕事は海外営業なのに、そのどの募集要件にもTOEICスコアが書かれている」ということでした。これには愕然としました。転職するのに、英語が必要なの!?(今考えると遅いf^_^;)と慌ててTOEIC TESTにエントリーして受験しましたが、取れたスコアは500点でした。メーカー営業はまだ、500点でもなんとか受けられたのですが、商社営業は800点あたりをボーダーにしてたので、諦めざるを得ませんでした。

そして、運良く、今の会社ではTOEICスコアは500点でもよい、ということで、なんとか、採用してもらうことができました。

入社してわかったのですが、要はこの会社の主戦場はあくまで海外で、国内市場でまずは修行を積むように、というのが、OJTとしてぼんやりと存在するようでした。(明確なルールはない)
私より一年先に入社した先輩は英語ペラペラで優秀な人だったので、そのうちすぐに海外営業に回りました。

私はデスクに座った時に周りで英語のエキスパートや韓国語のエキスパート、中国語のエキスパート(みんな日本人ですよ)がペラペラと商談を英語で進めてるのを聴いて、ここでも愕然としました。

と、とんでもないところに来てしまった、と。

正直、英語なんて大学入試以来まともにやってないし、TOEICだって、正直無理やり受けただけだし、スコアはすぐれないし、そもそも、英語をまともに話したこともないし、そんな機会も無かったのですから。

私はそれまで、海外にいったこともなければ、外国人と喋る機会も持ったことがありませんでした。

こればっかりは日々激務をこなしている先輩がたに教えてもらうわけにはいきませんでした。mixi全盛期でもあったので、(衰退期かな。)自分が住んでる地域のコミュニティで英会話を話しながらランチしませんか?というトピックを発見しました。そこに初回から通い続け2週間に1回というスローペースではあるのですが、少しずつ自己紹介とか、自分のことを英語で話すことの心理障壁を取り払っていきました。(なんせ、それまでは日本人同士で英会話なんて恥ずかしいーなんて思ってました)都合1年半以上通い続け、更には会社の人事部が開催した週一回の英会話の講習も一年半以上受けました。このおかげで、かなり話すことに対する抵抗感を軽減させることが出来ました。

この間にも、海外出張があったり、海外メンバーとのミーティングがあったりして、更にはメールのやり取りは日々あって携帯電話でもやり取りは増えていきました。最初は電話やメールにも抵抗感があったのですが、とにかく仕事のペースを上げなくては回せないほどの仕事量は増え続け、ブロークンでもなんでもいいから、とにかく意思を伝える!という決意のもと、電話をかけ、メールを打ち、なんとか、仕事を回してきました。

そんな徒手空拳で学んだ英語は英会話の講師にはビシビシ指摘されこれはおかしい、表現が変!と指摘されることも多かったです。講師の方々に逆に「これでも相手にはちゃんと通じてるけど、どうなの!?」と食ってかかったこともありました。

2012年になって、TOEICを立て続けに3回ほど受け、565→680→765とスコアは上がっていきました。一つ感じたのはTOEICのために勉強したらそれはそれで、実務にも生きることもある、ということです。なにせ、リスニングテストがありますから、対策で英語を聴いたりシャドーイングすることも増えるわけで、これがプラスの効果を生まないわけがない。リーディングでの速読訓練もメールを読むスピードUPには貢献してくれるとは思います。

転職してまる4年が経ち最近、ようやく海外案件を任せてくれたり海外メンバーのオーガナイザーもするようになってきましたが、私の場合、海外とは言ってもアジア圏が中心となるため、かなりくだけたGlobishでよかったりするのですけどね。
まだまだ、精進は必要、と感じる毎日です。
今後もどんどん海外の仕事が出来たらなあ、と思ってます。