宇多津ビブレの話。

とてもローカルな話題で恐縮ですが…。香川県の宇多津ビブレが来年2月に閉店する、とか。四国新聞の一面に掲載されていたそうで。

開店から20年、ということで昔宇多津に住んでいたことを思い出しました。私が宇多津に住んでいたのは4歳から8歳までの4年間。当時は近くに瀬戸大橋が出来た頃で、宇多津は香川県の中でも人口が右肩上がりに増えていた頃でした。小学校も1000人近い生徒数で、学校を2つに分けたくらい。木造の宇多津駅舎が綺麗に建て替えられ、ゴールドタワーができ、香川県がうどんという観光資源に気付くはるか以前、県民の皆様も無限の輝く未来を夢想してた頃(簡単に言うとバブルだったんでしょうけど)、宇多津にビブレができ、映画館ができました。
私は生まれてから4年は名古屋で住んでおり、香川には親の仕事の都合で引っ越してきました。両親とも香川の人だったから帰省した、に近いのでしょうけど。宇多津で住んでいた頃のことは昨日のことのように鮮やかに覚えています。
私はビブレが出来る頃に田舎に引越したため、ビブレにたまーに行くようになるのは中学生になってからなのですが(主に映画観るため、電車で片道1000円近く払って一時間くらいかけて一時間に一本くらいしかない鈍行で向かってた)、ビブレは私のような一度宇多津からさらに田舎(失礼)へ引っ込んだ人間にとってはいつまでも都会の象徴みたいな存在でした。高校を卒業して、関西で住み始めるまで、ずーっと宇多津ビブレは私にとっては都会の象徴で、デートスポットであり、早起きして映画観てお買い物してスケートしたりしたことがあることをほんのり思い出すのでした。(スケートはビブレにあるわけではなかったんですけど。)
閉店してしまうのは仕方のないことだし、毎日通って応援してあげることも出来ないくらいには遠くに住んでるし、最近は実家に帰って映画観に行く時も、綺麗な綾川イオンに行ってしまってたけれど、それでも、たぶん、宇多津ビブレは私たちくらいの世代の西讃の人たちにとっては、数少ない都会文化の発信地であったし、青春の甘酸っぱいエピソードの一つや二つはあるだろう、スポットなのではないかなあ、と思うわけです。
つぶれてしまうのは残念だなあ、としか言えないし、仕方のないことだとは思うのだけど、それでもちょっと筆を取らざるを得ないなあ、と思って書いてみました。

次、どういうお店ができるんだろうな。また地元の若者が楽しめるような素敵な場所になってくれればいいなあ、と切に願います。