ザイオン国立公園1泊2日

諸事情でザイオン国立公園に一泊二日のハードスケジュールで1人で行って来ました。
本来であれば家族で行きたかったのですが、叶わず…

宿はすんなり取れましたが国立公園前のスプリングデールという街はすっかりシーズンオフで多くのお土産物屋やレストランは休業中、ザイオンは春もしくは夏に行くべき国立公園だとはつくづく痛感したものの、天気が良かったこともあり公園内では楽しく観光出来ました。

宿泊は国立公園前のスプリングデールの中でも公園の入り口の眼前にあるホテルにしました。ロッジタイプでしたが、非常にきれいな宿で、Flanigan's innというところでした。
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国立公園はそれぞれに違った特色を持っており、ザイオンの場合はかなりトレッキング好きな人向けな国立公園だと感じました。
今のところ、家族フレンドリー具合で言うと、イエローストーン>ヨセミテ>ザイオンという感じでしょうか。小さな子ども連れての訪問はあまりオススメはしません。

ザイオンは山間にありながら険しい巨大な岩山に囲まれ、岩好きや地層好きにはたまらない数多くの風景を拝むことが出来ますが、車から降りて簡単に回れる場所だけではザイオンの魅力を堪能したとは言いがたく、はっきり言えば不十分です。

主な観光&絶景ポイントであるオブザベーションポイントへは登山で4-5時間、エンジェルフォールランディングへは登山で3-4時間、ナローズへは防水シューズを履いた上で川を遡ること4-5時間を要します。トレッキングシューズは必須であり、水分やサンドイッチなど必要な装備をきちんと整えてから行くべき場所でした。

ナローズに至ってはパーク内のビレッジに装備の貸し出しもあり、挑戦自体はやろうと思えば出来たのですがあまりに寒いので見送りました。冬にやるものではないでしょう。それでもやってる人はいましたが…。(ただ、ナローズは断崖の岩と岩の隙間を流れる川の中を歩いて遡るコースでして、数百m級の崖と崖に挟まれてしかも一番狭いエリアでは両手で崖を触れるくらいに狭くなるエリアもあるそうで、これはこれでどこでも体験できない気はしますが)

本来はトレイルするつもりも無く、下調べも不足しており装備が貧弱だったため、相当迷いましたが天気が良かったこともあり恐る恐るロウアーエメラルドプールの後にエンジェルフォールランディングにはチャレンジしました。
寒いのではないか、と思っていましたが、快晴だったこともあり、登っていると途中から暑くて仕方が無くなりました。むしろ上着が邪魔になるほどでした。

これも下から仰ぎ見ると信じれない高さの険しい岩山の頂上を目指すトレイルなわけですが、つづら折り(スイッチバック)の続く山道をどんどん上がって、途中で岩山の上まで出るものの、そこから鎖に掴まりながらなんとか岩山の舳先を目指す恐怖のコースでした。(実際鎖から手を離すと数百メートルの崖を真っ逆様というポイントがいくつもありました、毎年何人か亡くなっているそうです。シャレになりませんが)


ヨセミテのハーフドームも相当困難で険しかったですし、トータルでの難易度や危険度は(ハーフドームに着くまでにかかる時間と距離と体力の面で)ハーフドームに譲りますが、ザイオンも負けず劣らずの険しいコースでした。
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冗談抜きでリポビタンDのCMみたいな崖でした。
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途中、嘘でしょ、本当にこんな崖を登るの?と何回も思いましたし、何度も声に出てましたが、なんとか登頂に成功し、2時間半で往復し駆け下りてくることができました。
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登頂したら驚いたのは肩車で5歳の娘を乗せて登頂した人が居たことでしょうか。我が目を信じられませんでした。パワフルなお父さんもいるものだなあ。
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頂上では見渡す限り美しい景色が楽しめ、なんとか登りきった人たちはみんなおもいおもいの過ごし方をしていました。隣にいたお兄さんたちがコカコーラを飲んでるのを見て、「あんなに美味しそうなコーラは見たことがない!」と思いました。実際、登り始めると事前の心配をよそに冬にもかかわらず汗ばむ陽気でしたから登頂時には喉はカラカラでした。

それにしてもアメリカ人の感性というのは面白いな、とつくづく思います。日本なら危なくて絶対に行かせないであろう場所にも大した安全措置も無く行けますし、崖から落ちても自己責任でしょう。ただ、見られる景色は絶対に日本では見られない、世界でも稀に見る絶景が比較的簡単に見られるわけです。
この絶妙なバランスは慣れてくるとなんとも言えないものになるのかもしれません。

ザイオン、もしも体力に自信があり、未体験のことがやってみたい!と思う人には是非是非オススメな国立公園です。
ただ、うちは娘と妻を連れて行くのはちょっとしばらくは無理そうだなあと感じました…